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【初心者歓迎】司馬遼太郎の小説おすすめランキングベスト20【人気作】

司馬遼太郎のおすすめ小説を読んでみたいと思っていますね?

数多く歴史小説を残した司馬遼太郎。

歴史小説と聞くと、なんとなく「難しそうだな」と思ってしまう人も少なくないはず。

実は司馬遼太郎の作品はとても読みやすく、面白くて読み始めたら止まらない!

ストーリー性も抜群で、まだ読んだことがないという人にぜひ読んでほしい作品ばかりです。

そこで今回は、司馬遼太郎作品のなかでも特におすすめの20作品をご紹介します。

傑作ばかりで20作品に絞るのが難しいですが、初心者にもおすすめできる小説を厳選しました。

司馬遼太郎デビューにぜひ参考にしてみてくださいね!

 

司馬遼太郎の小説おすすめランキングベスト20

1位:坂の上の雲

「坂の上の雲」は、明治維新という激動の時代に生きた、日本陸軍、日本海軍に名を成す秋山好古、秋山真之の兄弟、真之の親友であり近代短歌の名人に上りつめた正岡子規の人生を絡む物語になっています。

言わずと知れた長編小説です。

8冊からなります。

この物語は以前にもNHKの大河ドラでも特別放送をされました。

歴史的大転換を果たした明治時代になって、今度は欧州の文化、文明を取り入れようとしますが、そこには当然のように国益を兼ねた軋轢も生じてきます。

そしてやがてロシアによる国の存亡がかかってきた時に、そんな中で四国の片田舎・松山から若者たちが「坂の上の雲」を目指すように日清戦争から日露戦争へと突き進んでゆくことになるのです。

日露戦争に立ち向かう頃の日本の明治時代は人材に溢れていました。

この頃は日本にロマンがあったのでしょうか。

どのような史観を持つかは委ねるとして、主人公は秋山真之という天才と、支える兄の秋山好古。

文人の正岡子規です。

日露戦争で活躍した秋山兄弟のお話ですが、三人目の主人公として、彼らと同郷の正岡子規がいるところが見事です。

秋山兄弟の弟の真之と子規の関係を幼なじみとして描きながら、次第に全く違ってしまう二人の人生を書いています。

司馬遼太郎の明治以降の歴史観もはっきりと書かれていて、考えさせられます。

兄弟愛に溢れる秋山兄弟のやりとりや、正岡子規という天才俳人が若き頃から大志を抱いてロシアとの戦いにそれぞれの立場で戦うということは、国家主義の匂いはせず希望がある作品と言えます。

当時、日本の近代化を目指すことに貧欲だった人々、日露戦争時の各国の思惑や軍事力などの詳細も描かれています。

この時代の人間たちは基本的に快活で、前だけをしか見ていません。

次々に大国を破り躍進していく日本の姿は、小国でありながらも世界有数の力を持つに至ったこの国がいかに先人たちの努力と犠牲によって成り立っているものであるかをしみじみと感じさせてくれます。

新たな技術とともに全く新しい社会を作り上げていった明治大正という時代国家そのものを、身分制度から開放されて立身出世を夢見る三人の若者に代弁させて語る手法は歴史小説家として見事です。

歴史小説というと戦国や江戸時代が舞台のものが多い中で、ある意味異色の作品ではあるが、それだけに他には代えがたい魅力があります。

日露戦争に対しての司馬遼太郎さんの賛否もあがっていますが、お国のために自分たちの人生を捧げた人々の歴史を知る一冊です。

2位:竜馬がゆく

言わずとしれた国民的青春時代小説。

思春期に読んで大いに感銘を受けた人たちは数しれないだろうが、自分もその一人。

なにより面白いのは坂本龍馬という男の、型破りながらも人を惹きつけてやまない人間的な魅力でしょう。

愚鈍で何の役にも経たないと思われた少年が、様々な影響を受ける中で屈指の英雄へと成長していきます。

幕末の中で活躍し、藩よりも日本の未来を真剣に思っていた竜馬の姿、土佐を捨てきれない葛藤も描かれています。

竜馬は、落ちこぼれで、いまいち学問も苦手な男児でした。

竜馬は地元で剣修行に励み、一流の剣士になり、のち江戸へ向かいペリー来航にて竜馬に転機が訪れます。

この黒船来航は、坂本龍馬の異国への考え方を大きく変える出来事になりました。

竜馬は、誰にも流されることなく独自の考えをもちとにかく優しく男らしく生きていく姿が魅力的です。

動乱の中で古い秩序を打ち破り新たな国の形を作り上げるためにその短い生涯を捧げる姿は、男として産まれたからには憧れずにはいられません。

一人の男がいなければ、この国の歴史自体がまるで別の方向に行っていたのかもしれない。

壮大な歴史の空想に思いを馳せることが出来る国民的名作です。

読めば必ず坂本龍馬のことを好きになります。

竜馬の行動力、人としての魅力がぎゅっと詰まっており、この人が明治に入る前に亡くなってしまったことを悔やむ気持ちになるでしょう。

竜馬の姉、坂本乙女さんのことを冒頭からかなり頻繁に登場させており、竜馬をお姉さんには頭の上がらない弟として描くことで、この明治時代をつくった立役者の一人を、読者に親しみの持てる人物にしてしまっています。

そこから一気に竜馬の偉業を躍動感たっぷりに書いているので、一気に読めてしまいます。

竜馬がゆくは、当然大人気の作品なのでほとんどの方がご存知だと思います。

ただ、全8巻と長いのでなかなか手に取りにくい作品であるかと思いますが、是非、読んで頂きたい作品です。

超ロング作といえる「竜馬がゆく」。

書店で見た際には「こんな長い作品を読めるだろうか?途中で投げ出したりしないだろうか?」と不安になりましたが、そこは竜馬マジックで一蹴された感があります。

竜馬の凄さは初対面で相手の方から近寄ってくる求心力があること。

侮られたりしたケースが一度もないと思われます。

たとい貧乏浪人であっても、人が頼ってくる存在というのは半端な魅力ではないと思います。

竜馬の最期を克明に書いていないのも、この作品の魅力。

カリスマのいた一生を彗星が去るように最期を描いた部分は忘れられません。

今の日本の坂本龍馬のイメージを作った作品といっても過言ではないかと思います。

幕末の混迷期に奔走する坂本龍馬を歴史的な背景に躍動感あふれる臨場感で書き残しています。

読み始めたらのめり込むこと間違いないです。

ちなみに司馬遼太郎さんの作品は、難しい言葉をあまり使用されていないので大変読みやすいです。

3位:関ヶ原

関ヶ原の戦いを知らない人はいないと思います(たぶん…)しかしその詳細を知る人は少ないように思います。

上・中・下の3巻からなります。

ご存知戦国時代の末期、政権の覇権争うで豊臣方と徳川方の東西の決戦が東西に分かれて一大決戦をすることになり、此れは日本国内では天下分け目、最大の決戦でした。

豊臣政権下の太閤秀吉が亡くなった後、徳川家康がいよいよ天下を狙って動き出します。

しかし、秀吉を信奉する石田三成が豊臣家の継続安泰を願って徳川家康と対峙することになるのです。

決戦場は当時の美濃国不破郡関ヶ原、現在の岐阜県不破郡関ケ原町がその主要な決戦場となります。

しかし、決戦の結果は意外な方向へと展開することになりますが…。

とにかく沢山の戦国部将たちが登場し、天下分け目の合戦の前のそれぞれの思惑が、司馬遼太郎なりの解釈で描かれています。

面白いのは、その思惑がそれぞれの武将の生きざまを表しており、関ヶ原という戦いを書いた小説というより、司馬遼太郎作品の戦国時代の総集編のようになっているところです。

主人公は石田三成ですが、その家臣の島左近もとても生き生きと描かれています。

戦場の場面では、まるで当時の関ヶ原の戦場にいるような臨場感を味わえます。

徳川家康の参謀でもある本多正信とのやりとりや、小まめに西軍との大名に手紙を送ってマメにコミュニケーションをしていたのに対し、石田三成の無愛想な態度は各国大名の統率力に大きな差を与えてしまいました。

こうした礼節や人身掌握は今にも通ずるものはあります。

誰もが知るこの戦いを改めて読むというのも一興です。

4位:燃えよ剣

新撰組の作品で、上・下巻2冊構成です。

燃えよ剣は、司馬遼太郎さん好きの方々なら当然選ばれる作品だと思います。

上下巻の2巻で構成されているので読みやすいかと思いますので、司馬遼太郎さんを読んだことがない方にはお勧めしやすいでしょう。

司馬遼太郎さんは幕末の話が多いので、ある程度幕末の背景を知ってから読まれると良いかと思います。

主人公は、新選組の副長土方歳三が主人公になります。

日本が幕末の中で揺れ動く姿を土方歳三から見た世界観で切り取っています。

個人的には泣きました。

近藤勇、土方歳三、沖田総司の人物像と主人公であろう土方歳三の生き様は、司馬遼太郎の独特の視点や感性があります。

なんといってもポイントは土方歳三の不器用な生涯にあるのではないでしょうか。

俳句を作っては沖田総司に笑われてみたり、人間関係でも沖田総司のように上手くやってはいけない性格、まして近藤勇のような人徳もない。

その人物像に魅かれる読者も多いと思います。

最後まで生き残るのも土方歳三。

孤高の彼の生き様は感動的な作品です。

「竜馬がゆく」が幕末という動乱期にあって、新たな秩序を目指した男の物語だとするならば、こちらはあくまでも旧秩序のために忠義を尽くし続けた男の物語と言えるでしょう。

何のつてもない地方の農民出身の若者たちが、剣の腕だけを頼りに権力者に認められ、組織を運営し、身を立ててゆく。

しかし、あくまで侍という古い理想の姿に固執し続けた彼らに待っているのは、滅びの美学でしかありません。

日本歴史の中で一二を争うほど優秀な人材が乱立した幕末という時代の、もう一つの側面を感じさせてくれません。

こちらの作品も名作中の名作です。

5位:項羽と劉邦

項羽と劉邦は、紀元前200年頃の中国を舞台にした小説になります。

秦の滅亡から前漢成立までを描いた長編小説。

四面楚歌の四字熟語が謳われた時代です。

多くの作品が日本史を題材としている司馬遼太郎にあっては異例の古代中国ものになります。

しかしその内容は、やはり作者独特の緻密な資料分析と、胸躍るような立身出世譚で彩られています。

司馬遼太郎さんは中国の歴史にも大変詳しく、全く中国の歴史のことを知らない方にも物凄く読みやすく描かれています。

中国の天下を狙う項羽と劉邦をそれぞれきちんとキャラを作りながら、読み手を飽きさせない時代背景の細かい描写は司馬先生ならではだと思います。

余談ですが、司馬遼太郎というのはペンネームで、中国の古い作品「史記」の作者、司馬遷から取ったそうです。

司馬遷といえば史記で、題材からいって司馬遼太郎渾身の一作だった筈です。

戦えば必ず勝つ猛将項羽と、後の儒教的徳性を備えた劉邦という全く異質の二人のカリスマ、そしてそれを取り巻く多数の登場人物全員が淡々と、しかし写実的に描写されています。

項羽と劉邦という二人の相反する英雄の人物描写もさることながら、この作品で面白いのはそれ以上に秦崩壊期の古代中国の独特な風物であったり、文明のあり方でしょう。

ある場面ではそれは非常に残酷であるが、またある場面では古代にありながらも非常に発展した文明を感じさせます。

そして四面楚歌から項羽の死にかけては最も美しい場面でしょう。

司馬遼太郎の中国観、中華観がよくわかる一冊。

最近ではキングダムという漫画も人気ですが、日本にも多大な影響を与えている古代中国の歴史というのは底知れない魅力があります。

たまには異文化の歴史にも触れてみたいという人におすすです。

6位:新撰組血風録

「新撰組血風録」は、幕末の京都で活躍した個性的な新撰組隊士の一人一人が登場する15短編集になります。

土方歳三を描いた長編の『燃えよ剣』と同時期に書かれた新選組短編集。

よく比較される両作ですが、時代を経るごとに『血風録』を推す読者が増えていっている気がします。

有名でない隊士も主人公になっていて生き様が描かれています。

山崎蒸、鹿内薫といった無名隊士にスポットを当てた編もあり、組織内の人間模様も魅力的です。

沖田総司が好きな人は、「菊一文字」「沖田総司の恋」がおススメ。

沖田総司の近づいてくる死にどう生きるかどう向かい合うかが胸に熱くなります。

また、恋の切なさも描かれています。

新撰組の実像もだんだん明らかになっていきます。

隊士だって人の子、恋もします。

読んでいて切なくなる作品です。

近藤、土方、沖田、斎藤だけではない新選組を感じることができるでしょう。

司馬遼太郎を知らない方にも、時代物歴史物さえ初めてという方にも初めての一冊としてお勧めできます。

7位:世に棲む日日

「世に棲む日日」は、幕末、長州藩に思想的に大きく影響を与えた吉田松陰について描かれています。

思想家の吉田松陰と革命家の高杉晋作とを通して、明治維新は何故起こったのか維新とは何だったのかを考える作品でもあります。

高杉晋作とはどういう人なのか?何が魅力的なのかが分からず、とりあえず読んでみたのですが、一気に最初から最後まで読み切ってしまった面白さがありました。

運も良し、頭も良し、そして無鉄砲、無計画、豪快な生きっぷりが気持ちいいです。

同じことをやれと言われても、できない時代ですが、現代の小さなこと。

職場内のいじめなどにクヨクヨしていたり、うだつの上がらない気の小さい人にはオススメです。

晋作の最後の句。「おもしろき、こともなき世を、おもしろく」という句を読んだだけで、この人は天才だと思いました。

クヨクヨ生きてつまらないなら、自分で面白くするのが人生と晋作は語りかけるはず!

吉田松陰の真っ直ぐさにも共感します。

吉田松陰の弟子を1人の人間として尊重し、絆を大切にする姿には感動します。

「自分はどうも人の悪がみえない、善のみをみて喜ぶ」という言葉に感銘を受けました。

「おもしろきなき世におもしろく」歴史が苦手な人でも楽しく読めます。

8位:国盗り物語

国盗り物語は、前半が斎藤道三、後半が織田信長と明智光秀という小説です。

面白いと思ったのは、斎藤道三の部分が道三の視点で描かれているのに対し、織田信長の部分は、明智光秀から見た織田信長という書かれ方になっており、視点が変わっているところです。

道三の部分はとてもダイナミックな出世物語になっており、道三視点でどうやって国を盗むか、を読者も考えてしまいます。

信長の部分は光秀の視点で、信長に向き合う苦悩が書かれています。

史実と違う部分があっても小説としての面白さは十分です。

9位:功名が辻

功名が辻は、戦国大名山内一豊の話ですが、妻の千代と二人三脚で戦国の荒波を乗り越える、出世話です。

面白いと思ったのは、戦国大名の一豊を、普通の凡人のように書いてあり、サラリーマンの出世物語のような気安さで読めてしまうところです。

また、妻の千代の賢女ぶりを際立たせており、一豊が土佐藩の城主となった後、以前の長宋我部家の家臣たちを迫害したのを千代が快く思わなかった場面などは、その後の歴史と照らしあわせて感慨深いです。

10位:果心居士の幻術

今に残る史料を纏め若干の筆を加えただけの作ですが、そのために却って司馬遼太郎の文章が際立つ隠れた良作です。

果心居士は様々な史料にぽつぽつと現れるだけで、確かなことは名前(呼び名)程度しかないという、まさに歴史の襞の向こう側の人物。

残っているエピソードも奇怪なものばかりですが、それが司馬の写実的な筆によって映像的に描かれています。

もともとは伝奇小説家という、今は見過ごされがちな司馬遼太郎の一面がよくわかる初期の短編です。

11位:王城の護衛者

各編の主人公は会津藩主松平容保、岩倉具視の参謀玉松操、日本陸軍の創始者大村益次郎、越後長岡藩家老河井継之助、人斬り岡田以蔵。

どの人物も司馬遼太郎が書いて以後、人物像がまるで変ってしまった歴史人物達です。

このうち大村益次郎と河井継之助は後に長編として書かれる事になりますが、この短編の方が好きという方も多いのではないでしょうか。

特に玉松操は司馬が書くまでほぼ忘れ去られたと言っていい人物でした。

幕府薩長から一歩離れた維新を描いた傑作です。

12位:播磨灘物語

此方も先般、NHKの大河で放送された戦国時代の真っ只中での物語です。

ドラマでは主人公が黒田官兵衛(孝高、如水 役柄は岡田准一)は豊臣秀吉の軍師として知られていますが、この物語は出生地・播磨国(現在の兵庫県)から出世するまでを描いています。

官兵衛は当初は小寺家に仕えるが、当時は播磨から備前にかけが勢力圏でありました。

ところがその後は中央(京付近)で台頭する織田信長に仕え、後に信長亡き後は秀吉に仕えることになります。

やがて天下統一に向け動きだす秀吉の重臣として新たな人生が始まるのです。

晩年の秀吉は「ワシが死んだら、知恵者・官兵衛が天下を取るやもしれぬ」と、官兵衛を恐れたといわれています。

因みに、九州の領地・福岡は官兵衛の播磨国の出生地の名前でもありました。

13位:侍はこわい

司馬遼太郎は、かつて日本に存在した侍という階層を点描する短編を数多く書いています。

『侍はこわい』はそうした短編の中でも一二を争う良作でしょう。

惰弱柔和と呼ばれた、いわゆる大坂侍の主人公が、ある出来事に際して豹変する。

現代的な大坂の町人に対比させて、現代が忘れてしまった侍の一面を見事に示しています。

「侍ちゅうもんは五体は人の形をしていても、別の生きものや」

現代の読後、作中の町人と同じセリフを呟くことになるでしょう。

14位:俄

司馬作品は面白いだけでなく、学校では教えてくれない教養が詰まっていると評した人がいました。

この「俄」はその代表作ともいえる作品だと思います。

人としての生き様はこうでないと、と訴えるような作品です。

幕末に大阪城に堂々と盗みに入り、高価な物を盗んでいく人がいる中、主人公は決して盗みに入らなかった話が心をうたれました。

現代では「みんなでやれば恐くない」「誰も見てないから、やってしまえ」というような雰囲気になると軽い犯罪を犯すものもいます。

それに手を染めてしまう生きざまは、自分のレッテルとして要らない。

たとい、貧しい暮らしになろうとも、人としてのプライドを損ねてはいけない。

このような教養、人としての在り方を教えてくれます。

15位:大阪侍

大阪侍は短編小説が何作か書かれていますが、中でも「難波村の仇討」は面白く、考えさせられる作品でした。

現代にも言えることなので、非常に考えさせられました。

時代にそぐわないこと、そんな考えは捨てるべきと世の中全てが変わるまで分からなかった仇討役には笑えます。

そして、全く取り合わなかった主人公は、なかなか出来ない行動ですが、頭が良く、時代に沿った生き方であり、自分の考えをしっかりと持っている人。

現代でも、利口な人。いつまでも偏屈なことにこだわり、時間と人生の無駄をしてしまう人がいます。

この例を読んで、前者にならなくてはいけないと思いました。

16位:新史太閤記

秀吉が仕官する前から、天下統一するまでの道のりを描いた作品。

完全な秀吉びいきの目線で書かれています。柴田勝家を大将にして秀吉を軍に合流するよう求めた信長と、秀吉のやり取りが「本当かな?」と思えるような話になっています。

ぐずって駄々をこねる秀吉が結局、軍に合流しましたが、不服で帰ってきてしまう。

普通なら打首ですが、信長が窮地に陥ってしまうことで秀吉のわがままな違反行為がチャラになってしまうという運の良さが凄いと思いました。

運も実力のうちとは、このようなことと思います。

17位:歳月

主人公は江藤新平。

後藤新平ではありません。

初代司法卿でありながら、彼の法律論が時々にハッタリで成り立っているという司馬遼太郎の視点、独特の表現には面白さがあります(本来卓越した論理の持ち主だが、言い回しは巧みである)。

征韓論で反対派の大久保利通や岩倉具視と対立して下野して非業の死を遂げる辺りは、なんとも言えない虚しさがあります。

裁かれて死刑となるのですが…日本の不可思議と不条理を感じざるを得ない最期は、歴史の勝敗を物語っているようで、何度も読む価値はあると思います。

18位:峠

こちらの作品は一般にはあまり知られていない、河井継之助という長岡藩の家老の物語です。

この人物について何も知らずに読み始めたとしても、いつの間にか虜になってしまうほど描写がうまい。

継之助は同時代に似つかわしくない徹底的な合理主義で制度改革を行い、一小藩を独立国家に近いような状態にまで持っていきます。

その卓越した手腕を読むにつれ、これほどの人物が歴史の中に埋もれていたことに改めて感心させられます。

しかし改革の時代にあって、あくまで武士の生き方を貫く彼の最後は、やはり悲惨なものです。

ちょうど竜馬が行くの革新性と、燃えよ剣の武士としての生き様、二つを同時に合わせ多様な作品であります。

この二作を読んだ後に、峠を読むとさらに幕末という時代への思いが膨らんでいくことは間違いないでしょう。

19位:最後の将軍

最後の将軍は、大政奉還を行った江戸幕府の最後の将軍、徳川慶喜が主人公の小説になります。

日本にとうとう黒船が現れた江戸時代末期。約300年続いた江戸幕府を終わらせた将軍の話です。

江戸幕府の将軍からの視点で、幕末の状況、大政奉還を行う心情を小説にした司馬遼太郎さんの凄さがよくわかる作品かと思います。

全1巻ですので一気に読めるでしょう。

司馬遼太郎さんの作品は色々な視点から幕末を描いた作品が多いのも楽しめる点だと思います。

20位:人斬り以蔵

人斬り以蔵は、幕末では有名であった人斬り以蔵が主人公になります。

司馬遼太郎さんがわざわざこの人物を描いたということは、きっとですが、司馬遼太郎さんのお気に入りの人物だったんだと思います。

人斬りとは、いわゆる殺し屋です。

幕末の混迷期の中、人斬りとして悲しくもたくましく生きた以蔵を大胆に描いている作品です。

藩士や将軍、新選組から見た幕末の作品を読んだ方はもちろん、初めて読む方にも是非読んでいただきたいと思います。

全1巻です。

さいごに

いかがでしたか?

司馬遼太郎の作品に触れると、人生観を変えるきっかけになるかもしれません。

ぜひ、今回の記事を参考にして興味のある小説を読んでみてくださいね。

これ以外にもおすすめの小説があれば、コメント欄で教えてください(^^)

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