面白い日本映画(邦画)をお探しですね。
今回は絶対に見てほしいおすすめ邦画ランキングベスト100をお届けします!
名作も多い邦画の中から、年間100本以上映画を見る映画マニアが厳選しました。
邦画選びに迷っている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
絶対に面白い名作邦画おすすめベスト100
100.脳内ポイズンベリー
初めはポップな雰囲気に惹かれ視聴しました。
ある働く女性、イチコの脳内で行われる会議を覗き見ます。
怒ったり笑ったり混乱していたり、恋や仕事に振り回される現代の女性の脳内で行われる会議はとても楽しくリズミカルに進みますが、ある日混乱しすぎた時見たことのない感情が会議に現れます。
その時イチコは一体どうなるのか、波乱が巻き起こります。
恋に悩み、泣き、また新たに歩いていく女性のストーリーはきっと心に刺さる事間違いなしです。
作中に出てくる沢山の言葉が心を貫きます。
愛していても、「果たして無理に好きな人と一緒にいる事は正しいのか?その自分自身を愛せるのか?」ということを問うてくるお話です。
99.犬と私の10の約束
主人公あかりと飼い犬ソックスの絆を描いた本作。
『犬の十戒』を基にして書かれています。
あかりは余命の短い母から、犬を飼う時には犬と「10の約束」をしなければならないと言い残されました。
寮で飼えない間ソックスを預かっていてくれた進、医者の父親といった多くの絆がありました。
あこがれの獣医師となったあかりがソックスの危篤の知らせを受けますが、動物達を置いて行けないと悩みます。
上司から後押しされるシーンもよかったです。
最後のソックスが息を引き取るシーンは涙なしでは見れません。
98.しあわせのパン
北海道の雄大な景色と厳しい自然。そこに共存し時に戦う人々の小さくて温かい物語に心を打たれて、何度見ても泣けます。
大泉洋さんと原田知世さん演じる夫婦二人が主人公です。
二人が経営するカフェマーニには、訳ありのお客様ばかりがやってくるのですが、お客様が抱えている悩みや苦悩が誰でも共感できるものです。
初めて見た時は最初に訪れたお客様の悩みに共感して泣きましたが、数年経った今は2番目に訪れたお客様に共感して泣きました。
97.箱入り息子の恋
星野源さんが主演で、障害のある女性との恋の物語です。
不器用な青年がお見合いで初めて恋に落ちてしまい、しかし両親の反対などを押し切って恋をする、笑ってドキドキできる作品です。
どんくさい役の星野源さんを見ていると、「もっとこうすれば相手に気持ちが伝わるのに…」など、自分が恋をしている感じがして、映画を見終わった後は自分でも再び恋をしたくなりました。
さわやかで、見た後に心が温かくなり、恋愛っていいなと思わせてくれるストーリーです。
恋は相手を想う気持ちから始まるものだと教えてくれた作品でもあり、障害者と健常者との恋愛の難しさをとうた作品でもあります。
最後まで星野源さんが自分の道を突っ走り、女性を守る姿が笑えて切なくてやさしく見守りたくなるものです。
96.22年目の告白―私が殺人犯です―
この作品は、ある残虐な事件で5人もの被害者を出した犯人が時効を迎えて、自分が犯人だと名乗り出る衝撃的な映画。
その殺人とは互いを大切だと思っている2人を捕らえて縛り、その大切な人の前でもう1人を殺害し、残りの人間を殺さずに解放するという残虐な方法です。
しかし犯人の容姿が端麗だったために、自ら出した本がベストセラーとなり話題になります。
犯人はテレビにも出るようになり、キャスターと対話もしていきますが、その過程で本物の犯人だと名乗る男が出てくるのです。
その本物の犯人とは何なのか。犯人だと告白した男の真の正体とは何なのか。
残虐な事件の裏に潜む、本当の真実を知ったときに、犯人だと告白した男の22年の覚悟の重みを知ることができます。
おすすめの作品です。
95.WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~
普段意識することがないが、本当は我々の生活を支えてくれている「林業」をテーマにしている珍しい映画です。
染谷将太演じる都市部に住む青年が、気まぐれな就職活動から林業に関わることとなり、段々とその魅力に気付いていくというストーリー。
自然の大切さ、偉大さ、田舎の温かさなど、観ているこちらも忘れていた何か大切なものを思い出させてくれるような気分になる映画。
笑い所もたくさんで、本当にこれは自信を持って誰にでもおススメできる映画です。
94.桐島部活やめるってよ
様々な賞を取っているだけあって、やはり面白いという一言に尽きる作品だと思います。
桐島という人物は一切出てこないのに、彼の周りの友人や同級生だけで物語が進んでいきます。
それぞれに様々な問題を抱えていて、それが見事に交差していきます。
「こういうことって、学生時代よくあるよな。」と妙に感慨深くもなってしまいます。
東出昌大さんが高校生役っていう点はちょっと違和感があるのですが、演技派俳優さんがたくさん登場しているところも見どころだと思います。
93.家族はつらいよ
3世代同居家族の日々の出来事をコミカルに描いた山田洋次監督作品です。
私が特に気に入っているのは、西村雅彦さん演じるお父さんのオオボケぶりです。
声を出して笑ってしまうくらい面白いです。
あと家族に何か問題が生じると家族会議を開くんですがいつもすんなりとはいかずどたばたはちゃめちゃな展開になってしまいます。
これも各出演者の会話の絡みが絶妙に面白く、あっという間に2時間が過ぎてしまう感じですね。
この映画をきっかけに最近はコミカルな日本映画を観る頻度が上がっています。
92.俺は、君のためにこそ死ににいく
この映画は第二次世界大戦末期の特攻隊員と、隊員達から慕われる母親的存在の女性の交流を描いています。
実話をもとにフィクションを加えた話になっているそうで、十代の青年達が敵艦に体当たりしている場面などを見ると本当に実際に日本にあった事なんだなと実感してとてもツラくなりました。
でも隊員達はすごく前向きな気持ちで突撃する日を待っていて、その様子が切なく何とも言えない気持ちになりました。
突撃前夜の隊員が女性に、「蛍になってここへ戻って来ます。」と伝えている場面がとても印象的で、ラストシーンは切なくもあり感動的で涙なしでは見れません。
91.コーヒーが冷めないうちに
この映画はファンタジー系の映画です。
ある喫茶店には過去、未来のどちらにも行ける席があり、その席を利用して自分のこと、あるいは愛する人のことを知るために多くの人が時空を超えていく物語が描かれています。
時空を超えられるのは注文したコーヒーが冷めない間だけで、冷めてしまうと元の世界に戻れなくなってしまいます。
そのような危険性があっても時空を超えた人たちの出来事や体験に感動必至です。
また、ただただ見て感動を覚えるのではなく、登場人物と一緒に考えていくことで映画の世界が見えてくるのも面白い点です。
90.おと な り
邦画ならではの優しい雰囲気が素敵な映画です。
大きな出来事がおこったり、熱々の恋愛映画ではないですが、「おと な り」 というタイトルだけあって、いろんな音がとてもきれいに聞こえ、 自分自信どんな音が心地よいんだろう、そう思うといろいろなことに耳をすませたくなります。
麻生さんが演じる女性は目標があり仕事もてきぱきこなしてすごくかっこいい、だけどもろいところもある。
そんな彼女を隣人の生活音が疲れた心を優しく包み込む。
抱きしめるのではなく、音で癒すという見ている私までふわぁ~っと気持ちが優しくなります。
二人の出す生活音が、この映画の魅力です。
静かな穏やかな恋愛も悪くないんじゃないか、そう思える優しい映画です。
89.ALWAYS 三丁目の夕日
昭和30年代の日本の下町の雰囲気が実に見事に演出されています。
登場人物が着ている服装、古き良き時代の3輪オート車、舗装されておらず水たまりが出来て雨の後に車のタイヤが撥ねる泥水、集団就職、家電製品・三種の神器の普及、東京タワーの建設、国民的英雄のプロレスラー・力道山の活躍など、どれも懐かしいことばかりです。
この時代に生まれ育った方にとっては、この映画を見ながら、大変懐かしい思い出が甦ってくるでしょう。
家族愛たっぷりで御近所付き合いが、今とは全く違う次元であることがわかります。
昔懐かしい雰囲気に浸りたい人に、絶対におススメしたい映画です。
88.ホットロード
登坂広臣の演技が抜群に良くホットロードにとても合っています。
また、能年玲奈の演技も抜群に映画に合っている。
原作が漫画本で、私が高校生の時に、何度も何度も読み返した原作です。
未成年の行き場のない、やり場のない思いや感情がとても素直に描かれています。
私は今30代後半ですが、あぁ、昔はこうだったなと懐かしいに持ちになります。
また、年頃の女の子は世間が分からないなら不良の年上男性に憧れを抱くものなんです。
何かから抜け出したい。
そんな現実逃避には最高の一作です。
87.人狼ゲーム
高校生が命懸けで人狼ゲームを行う映画です。
最初は冗談だと本気にしていなかったメンバーも一人の犠牲者がきっかけで必死になり人をだましたり、疑ったりと右往左往する様が人間らしいなと思います。
自分が助かるために他人の犠牲をい問わないというエゴ全開の映画だと思いますが、全開すぎて清々しい位です。
きれいごとを言う人ですら、通常ならいい人なんでしょうがそれすらも的になってしまうという怖さが見ものです。
極限状態に陥った時に人はどういう反応をするのか、どう動くべきかを客観視できる映画です。
はらはらドキドキしながら人狼は誰かを予想し、簡単に裏切られる。
映画をみてすぐに人狼ゲームのとりこになり、オンラインゲームに参加してしまったほどです。
86.踊る大捜査線
織田裕二、深津絵里、柳葉敏郎を始めとする豪華キャストによる事件解決ストーリー。
全3シリーズありますが、犯人役が小泉今日子や岡村隆史など、意外な芸能人が抜擢されて、どんな事件になるのか興味をそそられます。
事件解決の他にも笑いの要素が組み込まれており、観ている者を飽きさせません。
警察の組織を描いたストーリーですが、主役の織田裕二扮する青島刑事の仕事ぶりは共感する人も多いと思います。
組織の末端で理不尽な思いをしながらも、分かってくれる上司との信頼関係があるから辛い仕事も頑張れる。
というサラリーマン精神が一貫して描かれているので、自分に重ね合わせて明日からの活力になる映画だと思います。
85.西の魔女が死んだ
不登校になった主人公の女の子が、イギリス人のおばあちゃんと自然豊かな家で約1ヶ月過ごすお話です。
おばあちゃんは不登校になった理由は何も聞かず、魔女修行と言って、主人公に「早寝早起き」「自分のことは自分で決める」といった何でもないことをするように教えます。
このなんでもないことが実はとても難しく、でも生きていくうえではとても大切なこと。
おばあちゃんが主人公に言う言葉がすごく温かくて深く、大人の心にもしみてきます。
「サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。白熊がハワイより北極を選んだからといって、だれが白熊を攻めますか。」
自分らしくいていいんだよ、逃げるように思われるかもしれないけど、自由に自分でいられる場所にいればいいんだと心に刺さりました。
また、この映画では生と死についても題材になっていますが、重すぎず生きる意味を考えさせられます。
おばあちゃんとの愛情、その愛情を受ける女の子の安心感。
見ていてとても心が豊かになる映画でした。
84.白ゆき姫殺人事件
殺人事件が起こった際、これまでの出来事を色々な人に聞くことになるのですが、人によって同じ出来事であっても違う記憶になって残っていることに面白さを感じました。
自分の良いように記憶していることもあれば、お互いに解釈が違う場合もあります。
その光景を上手く描いた作品です。
また、意外な人が犯人だったので、最後まで真実が分かりませんでした。
途中で気付くパターンが多い中、この作品は最後の最後まで分からなかったのが、非常に良かったです。
83.君に届け
この君に届けという映画は漫画が原作で、これは実写版でやっていた映画なのですが、本当にいいキャストさん達ばかりで素晴らしかったです。
最初は1人孤立していた爽子が、クラスの人気者の風早くんに出会ってから、その風早くんと仲良くなるにつれて変わっていく爽子は本当に可愛いです。
そんな爽子と友達になってくれた女子2人との絆も感動しますし、爽子と風早くんに立ちふさがる恋のライバル達との関係も面白かったです。
そして、どこまでの爽子を大事に思っていて、最初に会った時からずっと好きでいてくれたという一途さには胸がときめきました。
次第に爽子も恩人だと思っていた風早くんのことを好きになっていく過程も凄くドキドキします。
この2人の初々しくもどかしい純愛を見ていると恋したくなりますね。
誰でも楽しめる恋愛映画の金字塔ともいえる作品だと思います。
82.舞妓Haaaan!!!
阿部サダヲ主演の「舞妓Haaaan!!!」です。
この映画は京都の祇園にある舞妓さんとその舞妓さんに情熱を注ぐ主人公の奮闘を描いた物語。
ギャグマンガみたいなシーンや、急にミュージカルになったり登場人物の掛け合いが漫才みたいになっていったりと、とても展開とテンポが早く面白い作品です。
特に主人公を演じている阿部サダヲさんのポテンシャルや演技の引き出しが非常に多く、いかに阿部サダヲさんが凄い役者か分かる映画になっています。
81.フォルトゥナの瞳
人の運命というものは、変えられそうで変えられない部分もあり、何かを得ることは何かを失うことでもあるということを考えさせられました。
そして、自分の命よりも大切なものを見つけた人というのは、何よりも強いと分かる映画です。
もしかしたら、生まれる前から死ぬまで運命というものは、既に全て決まっているのかもしれません。
それを良い方向に向けるのも、悪い方向に向かってしまうのも全て自分の責任と言えるのでしょう。
人間の強さと脆さが描かれているおすすめの映画です。
80.星になった少年
2005年公開の実話に基づく映画、柳楽優弥氏のカンヌ映画祭での受賞作品として有名です。
実話からの作品なので、舞台の動物プロダクションの経営という一般に馴染みのない家族を通して、誰でも共感できる葛藤や転機の描写が丁寧だと思います。
タイでの単身修行、その中での不思議で温かい体験、再婚相手と実祖母を含めての難しいようで固くつながっている家族の絆、恋愛成就からの早すぎる決別が滞りなくしっかりと胸に刻まれます。
母子関係(主人公と母、母親と祖母)がリアルで良く、家庭の問題の解決というものは母親が担うのではと感じました。
79.マスカレード・ホテル
毎日ホテルには色々なお客様がいらっしゃいます。
そういったお客様を時には面白く、時にはシリアスに描かれていて、ホテルの裏側を見ることができたような気がしました。
また、ホテル業においての接客の大変さについても学ぶことができる映画になっています。
殺人が予告され、「刑事が潜入捜査のためにホテルマンになりすます」という設定もなかなか面白いものがありました。
犯人も最後まで分からなかったので、目が離せない面白さもあります。
テンポの良い映画でおすすめです。
78.STAND BY ME ドラえもん
ドラえもんの中でも特に人気のあるストーリーを3Dで観られる作品です。
誰もが知っているのび太の結婚前夜のストーリーや、ドラえもんとの別れのストーリーなど元々感動を呼んだ作品がリメイクされているので感動しないわけがありません。
特に感動するのは、普段ドジでダメダメなのび太がドラえもんの為に立ち上がり頑張り、成長を見せるシーンです。
のび太とドラえもんの友情は涙なしでは観れません。
また、感動の上乗せをしてくるのが主題歌です。秦基博さんの〈ひまわりの約束〉は、のび太とドラえもんの関係性を歌ったような心に響く歌詞です。
ストーリーの余韻がある中、ひまわりの約束が流れてきて涙が止まりませんでした。
77.カラスの親指
主人公(阿部寛)は詐欺をして生計を建てている人間なのですが、ある理由から詐欺をするようになります。
その主人公が抱える闇の部分が解き明かされていく場面が悲しくもあり面白いです。
また冒頭で出会うパートナー(村上ショージ)も闇を抱えています。
最初は頼りないパートナーで主人公は再三乗っかるのは辞めよう辞めようと考えていましたが、何回か仕事をするようになったらパートナーの良さも分かり信頼しはじめ、新たなビック詐欺を考えます。
物語の後半からラストスパートまでは、怒涛の展開。
主人公とパートナーの闇が結び付き絡み合い、最後は感動する物語になっています。
老若男女が観ても楽しめる内容の映画です。
76.君の鳥はうたえる
良い意味で映画らしくない映画です。
まるで映画の登場人物達が本当にそのままどこかで暮らしている、実際に存在しているかのように錯覚させるほどのリアルな描写がとても新鮮で強烈でした。
観たあとは、親友とグダグダになるまで酒を飲みたくなる、人肌恋しいような我を忘れてどこかへ行ってしまいたいような、不思議な気持ちになる作品。
老若男女問わず“若いということ”の強さ・弱さ、美しさ・儚さをこの作品を通して痛感させられると思います。
この映画は「幸せとは。」その答えを教えてはくれないかもしれませんが、大きなヒントを与えてくれるはずです。
75.キサラギ
2007年公開の映画ですが、いまだに何回もDVDで観てしまう程好きです。
自殺したアイドルの熱狂的なファンが5人集まりお互いに初対面という中でアイドルの死の真相をたぐり寄せていくのですが、完全なワンシチュエーションの会話劇です。
キャストも小栗旬をはじめとする豪華なメンバーでアイドルの死へのそれぞれの意外な関わりが明らかになっていきます。
個性豊かな5人が繰り広げる一部屋での時間の流れが、まるで舞台をみているかのような感じです。
今観ても、何度観ても楽しめるおすすめの作品です。
74.スマホを落としただけなのに
犯人のミスリードが多数あったので、ずっと騙されながら鑑賞してしまいました。
スマホという現代を映し出す産物の怖さや人間の脆さを描いている作品で、便利さが生み出す恐怖を感じられる映画です。
スマホを落としたことで、こんなにも危険で怖い思いをすることがあるのかと思うと、日頃から大切に扱わなければとも思えました。
そして、スマホだけではなくSNSで簡単に誰かとつながることができるのも、便利な反面怖いと感じましたね。
現代の闇にメスを入れた作品に仕上がっているおすすめの映画です。
73.パラダイスキス
矢沢あい原作ということもあり、元々大好きな作品でした。
原作に忠実に実写化しつつ、豪華なキャストで更に魅力のある映画に仕上がっていたと思います。
内容も良かったのですが、もっと良かったのがファッションの世界を堪能できたことでした。
モデルとしても活躍している北川景子さんの魅力が最大限に引き出されていたように思います。
映画としてはもちろん、一つのファッションショーを楽しんだような気持ちになることができる作品です。
72.マルサの女
生々しい性描写が多く、初めて見る方は衝撃を受けるかもしれません。
年齢を重ねて改めて見直してみると、テンポやセリフ、音楽やキャスティングなどかなりな高水準にある映画だと言えます。
今見ても十分に面白い映画と断言できるでしょう。
特に主演の宮本信子は、芋臭さの中に独特の嗅覚を持つマルサの女を大熱演でハマり役、悪役の山崎努や主人公の上司役の津川雅彦も物凄い存在感で役者とはこうあるべき!と身をもって教えてくれているような演技。
ストーリーは脱税とは何なのか…それが分かっていないといまいち理解できない場面も多いため、ある程度知識を得てから見た方が「なるほど!」と思えるかもしれません。
いずれにしても続編が作られ、宮本信子主演の「○○の女」シリーズも大ヒット、素晴らしい才能を持った伊丹十三監督は非常に稀有な才能の持ち主でした。
71.歩いても歩いても
樹木希林さん演じる母親や阿部寛演じるその息子など有名な役者さんが演じる、どこかにいそうな何気ない家族のやり取りがなんとも言えずいい映画です。
自分の家族と似ていることを感じて共感したり、違う部分を知って納得したりと、穏やかな気持ちで観られる作品。
何よりも母親役の樹木希林さんがいい味を出していて、昔ながらの家で台所に立って料理を作るシーンはとても良かった。
そして、優しいだけの母ではなく姑としてちょっと嫌味っぽいところがあるのがリアルに描かれていて、さすがです。
70.新聞記者
藤井道人監督。松坂桃李さん主演。
日本政府とマスメディアのつながりを批判するかのように進むストーリーです。
日本には珍しい社会派映画になっています。
しかし、メディアは政府に嫌われるのを恐れ、メディアに取り上げられない映画です。
少し前に安倍政権で起こった大学問題なども織り込み、まさに現政権の問題点を提起している作品。
参議院選の前に公開されたため、SNS上で話題になりました。
政治に興味のある人にもない人にもみて欲しい映画です。
69.悪魔の手毬唄
悪魔の手毬唄だけでは無く、横溝正史さんの作品で、石坂浩二さんが金田一耕助を演じておられる作品は全てオススメ作品だと言えると思います。
いわゆる怖い話、ホラー作品の邦画で、これらの作品に並ぶものがあるのでしょうか。
最近の視覚に訴えて怖さをあおって来る様な作品ではなく、気持ちから不安になって来る様な、芯から怖さを味わえるようなそういった作品は、最近の作品にはないと思います。
日本の風景も上手く取り入れられてこれぞ日本映画だと思います。
68.世界から猫が消えたなら
佐藤健主演の映画で、宮崎あおいや濱田岳、そして猫が登場します。
まず佐藤健がもうすぐ自分が死んでしまうということを告げられるところから始まります。
すると、目の前に自分と同じ姿をした、悪魔と名乗るものが現れます。
その悪魔は寿命を延ばす代わりに、周りにあるものを一つ選んで世界から消し始めるのです。
このような流れで話が進んでいくが、最初は絶対にびっくりしましたが、中盤あたりから涙が止まらなくなりました。
3回くらい感動できるようなシーンがあります。
どれも別の意味でとても大事なものについての話で、老若男女問わずどれか一つは必ず当てはまるでしょう。
共感し始めると涙が止まりません。
67.パコと魔法の絵本
出演している役者さんたちのキャラクターが皆、強烈でした。
強烈の中にも可愛らしさがあり、また、舞台が病院なのですが、タイトルにもあるように絵本から出てきたようなきれいな映像で見るだけでワクワクします。
役所広司さん演じる嫌われ者で偏屈なじいさん・大貫が、現れた一日しか記憶が保てない少女・パコによって心を開かれていくというストーリー。
いつしかその少女の記憶に残りたいとパコが大切にしていた絵本の劇をするのですが、他人に心を開かなかった大貫が必死な様や、その必死さにやがて大貫を嫌っていた院内の皆が手伝ってくれ、次第に心が通い合っていく様に感動しました。
涙なしでは見れない作品だと思います。
一人の少女の記憶に残ろうとした結果、語り継がれる絵本になったという結末はある意味、パコが望んだことなのかもしれません。
視聴前と視聴後で印象が全く変わる映画です。
ハンカチ必須の映画でした。
66.青天の霹靂
2014年の劇団ひとり初監督映画。
一人のどうしようもない大泉洋演じる男が、とあることをきっかけに自分の生まれる前から生まれてからを知ることになり、父親としての感情が変化していくヒューマン映画です。
元々、父親に対して憎しみしかなかった主人公が、過去の真実を知ることで、父親への感情が変化していく様に胸を打たれます。
父親と息子のやり取りの、不器用だけと愛に溢れる人間関係に泣けてきます。
65.下妻物語
とにかく深田恭子が好きな人には見てもらいたい映画。
嶽本野ばらの小説を原作とした映画作品です。
物語は茨城県下妻市を舞台にしていて、ロリータとヤンキーという意外な組み合わせの二人の女子高生が主人公。
深田恭子と土屋アンナが演じるこの二人の間に芽生えていく友情を描いています。
とにかくロリータ姿の深田恭子が、BABY, THE STARS SHINE BRIGHTのかわいいお洋服を着こなし、父親やおばあさんとの掛け合いが最高に面白いです。
64.俺物語!!
この映画は最高です。
「え、鈴木亮平なの?」と一瞬わからないほどのなりきり具合。
いまどきこんな若い男子はいないでしょうけど、不器用で一生懸命で一途でほんとうにかわいいです。
そしてとってもキュートな永野芽郁ちゃんが彼にほれ込んでくれる。
みんな馬鹿にして笑い飛ばすのに、芽郁ちゃんはしない。
まさかこんなかわいい子が自分を好きなはずはないから、一向にかみ合わないところがとっても面白いです。
少女マンガ原作だと馬鹿にしないでぜひ見て欲しい映画。
63.GO
日本で生まれ育った10代の在日韓国人【杉原(窪塚洋介)】と純日本人の高校生【桜井(柴咲コウ)】による、青春ラブストーリーです。
杉原の父【元プロボクサー】の「広い世界を見ろ」と言う言葉から、敢えて日本の高校に通うことを決意した杉原の成長・葛藤を過去の回想を交えながら杉原の目線だけで展開していく物語には色々と考えさせられます。
最後の桜井とのやりとりで在日韓国人の杉原が、桜井に人種差別をされたことに対して「俺は何者だよ」と言いながらお互いに理解していく樣は特に感動しました。
62.彼女がその名を知らない鳥たち
歪んだ愛を表現した映画です。
あえりない、けどとってもポピュラーで、誰の立場でどの目線で見ても人間らしく怖い。
中盤から涙が止まりませんでした。
誰が一番自分を思ってくれていたのか、守ってくれていたのか、愛してくれていたのか。
気付いた時にはなくなっていて、残るのは後悔と、愛しい気持ち。
どうか陣治が死にませんように。
後半はもうそればかりを考えていました。
果たしてこの結末で幸せになった人物はいたのか?
謎は残りますが、こんなにも思われていた事を、真実を受け止めることはできたのかな…と思います。
気持ちに余裕がある時に見ないと、心を持っていかれそうになる映画です。
61.博士の愛した数式
この映画は、小説が原作の映画です。
実写版はどうしても原作より劣ってしまうものですが、この映画は小説と同じくらい魅力的に描かれています。
認知症を患う「博士」と家政婦とその息子のちょっと変わっているけれど、温かく淡々とした日常の風景が描かれています。
数学博士である「博士」は部屋中に数式を書くのですが、その美しい数式の数々にうっとりとしてしまいます。
数学好きにはたまらないです。
もしかしたら、数学が苦手だった人も好きになってしまうかも!
60.コンフィデンスマンJPロマンス編
長澤まさみさんが演じる詐欺師が、仲間たちと協力して、大金持ちから大金をだまし取る内容です。
手ごわい相手との駆け引きにハラハラドキドキし、どのような結末になるのか、最後まで目が離せません。
テレビドラマの映画化ですが、テレビシリーズのファンももちろん、見なかった人も十分楽しめます。
緊張感のある場面もありますが、基本的には笑いながら、楽しく見ることができます。
脚本が素晴らしい映画ですので、コンゲーム(信用詐欺)が好きな方は何度も見たくなる内容だと思います。
59.マリと子犬の物語
新潟県中越地震という恐ろしい地震の中の実話を元にした物語がこのマリと子犬の物語です。
動物の演技に私は泣けてしまうところもあるんですが、また犬達の必死なところや、子役の子の演技がさらに涙を誘います。
そして宇津井健さん演じるじいちゃんがまたいいんです。
孫と一緒に地震によって家の下敷きになってしまうんですが、諦めようとした時に、マリが足を怪我しながらも必死に助けようとする場面があり、諦めちゃいかんと、その場面は号泣です。
さらに助けてくれたのに避難所には犬は連れていけないと、マリと離れ離れになるシーンも泣きポイントです。ヘリで飛び立つ時の女の子とのお別れシーン、思い出しただけでも涙でます。
そして飼い主と離れてからはマリが母親として必死に子犬達をまもっていく姿、生きるぞという力強いところ、そして飼い主たとの再会、会えて本当によかったと心から思いました。
この物語は家族の大切さ、故郷のよさ、大切な物を守るという強さ、そして何より感動をもらいます。
気持ちの良い涙が出ると思います、おすすめです。
58.図書館戦争
文字で、写真で、動画で表現する自由が規制されているのが図書館戦争の世界です。
その規制に逆らうものには武力制圧さえも厭わない行き過ぎた規制法が認められ、その弾圧に対抗する者たちこそ、『図書隊』と呼ばれる存在。
彼らは自由を守るため、命を懸けて戦います。
この映画は武力やアクションだけにとらわれず、主人公と教官の恋愛映画でもあります。
兵隊といえども彼らも人。
時に迷い、対立し、そして絆を深め合う。
アクション、青春、ラブストーリー、様々な魅力とジャンルが濃縮してこの作品にバランスよく詰め込まれています。
57.それでもボクはやってない
痴漢冤罪をテーマに、周防正行監督が、コメディやユニーク色を完全に排除して撮った作品です。
私たちの身に起こりうる問題が、冷徹に、厳しい視線で描きだされていく様子からは目が離せません。
しかも、主役を演じる加瀬亮さんが、どこにでもいる普通のサラリーマンを好演していて、まるでドキュメンタリーのように見られるところも魅力です。
私は公開されてすぐ劇場で観ていたのですが、終わってからもしばらく考えさせられる映画でした。
56.クイール
とても可愛らしい子犬が生まれてから、訓練を経て盲導犬として活躍し、最後を迎えるまでの一生を描いた作品。
その生涯での人との触れ合いを通して語られる盲導犬の姿に、感動を覚えないはずはありません。
人に尽くして生涯を終えるときの姿はなんとも言えず、「犬」としてではなく、「家族」として過ごした時間はかけがえのないものなんだなと感じる作品です。
盲導犬になるまでの期間、盲導犬としての役割を果たす期間、役割を終えた後の余生を過ごす期間と、それぞれの時間で関わる人々との物語がとても印象的で、とくに「最後」の瞬間は涙が止まりませんでした。
55.永遠の0
原作・ドラマ・漫画・映画の全てを見ましたが、その全てで号泣しました。
戦争を知らない私たちには理解できない感情や状況も出てきます。
物語の主人公もまた戦争を知らない若者であり、元兵士たちの話を聞きながらだんだんと当時のことを考えていくストーリーになっており、まるで自分もその場で話を聞いているような感覚になります。
また、最後には衝撃の展開が待っており、その隠された真実と意味、人知れずその事実を抱えてきた人物の気持ちを想像するとまた涙が溢れるでしょう。
54.悪人
日本の映画は後から考えさせられるものが多いと思いますし、そこが良いところだと思います。
この映画も本当に「悪い人」は誰だったのか、そもそも善と悪の区別はどうやってつけたら良いのか、悪人には良心はないのか、世間一般が考える悪人は社会から排除されるべきなのか、などなど後から考えさせられるものがあります。
主演の深津絵里と妻夫木聡の体当たりの迫力満点の演技も心に残りました。
人生で一度は見てみる価値はある映画だと思います。
53.いま会いにゆきます
いま会いにゆきますは、親子愛はもちろんラブロマンスもあってファンタジー性も兼ね備えてて現実であったら素敵だなと思わせてくれる映画です。
ロケ地もジブリのとなりのトトロに出てきそうな田舎風景で、どこか懐かしさも感じさせてくれました。
恋人と観ても、夫婦で観ても、子供達と観ても、誰と一緒にみても共感できる素晴らしい映画なのでおすすめです。
主題歌のオレンジレンジの花も映画にぴったりで曲が流れるだけで涙をさそいます。
52.フラガール
フラガールは、出演者が全員個性的で面白くおすすめの映画になっています。
常磐ハワイアンセンターの誕生秘話を映画化した感動コメディです。
蒼井優さんも松雪泰子さんもとても素敵ですが、岸部一徳さんの福島弁が最高だと思います。
ストーリーも、町の人達に反対、批判されながらも、10代の少女達が一生懸命努力する姿にとても胸を打たれます。
最後はフラダンスでハワイ事業を成功させると分かっていても、何度も見てしまう最高に楽しい映画です。
つらい時にも、愉快になりたい時にも見たくなる、特別な映画だと思います。
51.用心棒
歴史に残る名作なのに時間が短いことがおすすめポイントです。
上映時間は110分しかありません。
その上理屈抜きで楽しめるアツい展開も最高です。
監督は黒澤明。
黒澤明の映画はどれも名作ですが、長くて疲れるものが多いです。
辛気くさい展開になったりすることもあります。
しかし用心棒は違います。
原案にしているのはダシール・ハメットのハードボイルドの名作「血の収穫」です。
全体的にシンプルにまとまっており、主役の三船敏郎があり得ないぐらい男らしく、かっこいいです。
50.光のお父さん
定年退職をした父親に息子が退職祝いに、オンラインゲーム「ファイナルファンタジー」をプレゼントし、息子が正体を隠してオンライン上で父親とゲームをすることで、父親と本音で向き合うという話です。
ゲーム中に自分の正体が父親にバレないように必死になっているのが面白い。
あと、父親を演じる吉田鋼太郎さんのゲーム初心者ぶりも見所で、上映中観客が何度も爆笑していました。
面白さもあり、最後はしっかり親子の絆も感じられる映画なのでおススメします。
49.コードブルー 劇場版
救急救命として、患者・事故の被害者の命を助けたいという思いと現実的に突き付けられた医療の限界の中に、身を置いて、日々、腕を磨いている姿に感動します。
テレビで放映して、映画化された作品で、事故が段々とエスカレートして、現実的にはないだろうと思いつつも、被災者とその患者の関係や人間ドラマに泣いてしまいます。
そういった救急救命医の同僚や上司との人間関係に支えられている医師の姿に、感動したり、みんな何らかの悩みを抱えながら、闘っている姿に感動しました。
最後まで諦めない姿には、ほろっと、涙が出てくる場面もあります。
その様な仲間との出会いや別れなども良いと思えるところです。
48.明日の記憶
テーマが若年性アルツハイマーを患った人の感情とその家族を描いているので、内容は終始暗いです。
認知症やアルツハイマーなどは今はいつ誰にでも起こりうることで映画だと分かってはいるのですが、すごくリアルに心に響きます。家族愛に心打たれて涙無しでは見れません。
キャストもすごく良く、渡辺謙さんの演技は鬼気迫るものがあります。
また現代社会において、非常に考えさせられる内容です。
自分がもし若年性アルツハイマーになった時、主人公の彼のような生き方ができたら素敵だと思いました。
今の社会を生きるすべての人に見てもらいたいです。
47.藁の盾(わらのたて)
まずこの映画の見所は、藤原竜也さんのその演技力です。
藤原竜也さんといえば他にも「デスノート」や「22年目の告白」など、色々な映画に出演されていますが、どの作品でもいつも一癖ある役柄を演じられます。
中でもこの作品で演じた殺人犯役は狂気に満ちていて、人間離れした快楽殺人者を演じるのですが、これを見事に演じきっています。本編の最後の締めの部分など圧巻の演技力です。
映画の内容も少し現実離れはしているものの、今の日本、ひいては人間の汚いところを鮮明に映し出すところにも惹かれました。
その中で主人公の信じる正義と自らのを貫くところも心惹かれた部分です。
是非色々な人にオススメしたい映画です。
46.そして父になる
「そして父になる」という映画は、実際に起こった産婦人科病院での新生児の取り違え事件を元に作られたストーリーです。
父親とは家族とは何かが大きなテーマになっている作品で、血の繋がりなのか一緒に過ごした時間なのかについて考えさせられる映画です。
また、その奥には誰しもが一度は思う、時間を巻き戻せれば何かが変わっていたのかという感情への対峙を突きつけられるストーリーが隠されています。
血の繋がらない子どもの中に自分との絆を見つけ、血が繋がった子どもの中に自分との繋がりを求めてしまう親たちが葛藤する姿に胸が打たれ、気づけば切ない涙が溢れてしまう作品です。
静かに、そしてゆっくりと一人で泣きたい時ぜひ見ていただきたいおすすめの映画。
45.おくりびと
何度見ても泣けます。
死というものを題材に、ここまで美しい映画に創り上げられるものかと感銘を受けました。
人が亡くなるというのはただ悲しいだけではないということ、また、死とは真逆の生についても深く考えさせられる映画となっております。
なにより、久石譲さんの楽曲がまた涙を誘います。
どこか懐かしいような、切ないような…。
まさにこの映画の世界観にぴったりと寄り添って、見る人の心をグッと掴んでいると思います。
44.ぼくは明日、昨日のきみとデートする
映画を観る前は、予告CMでかなりおおまかなストーリーしか知らない状態でした。
小松菜奈さんが醸し出す不思議な雰囲気の理由が、物語終盤に分かって号泣です。
小松菜奈さんは福士蒼汰さんと時間軸が逆に進む世界から来た人の役で、現実ではありえない話なので理解するのに少し時間がかかります。
だからこそ、さらにもう一回見たくなりました。
全てを知っている状態でもう一度最初から見ると、また違った視点でも楽しめるのでオススメです。
43.殿、利息でござる!
期待しないで観たところ、笑って泣けて大変でした。
いい意味で裏切られました。
社会保障的な仕組みがほとんどなく、お上の言うことには従って当たり前だった江戸時代に、藩に銭を貸して利息をとり、町の窮状を救う策を考えた日本人がいたことが奇跡です。
最初は足並み揃わずゴタゴタします。
でも何度挫折しても粘り強く取り組み、家財を投げ打つ商人もいて、またそれを黙ってやる。
一心不乱の真心が人を巻き込み動かし、ついに殿にまで届いた時には「日本人ていいなあ」としみじみ思えます。我々にもその真心がまだあることを信じたい。
世知辛いばかりの昨今、励まされる思いでした。
42.犬神家の一族
オススメするのは松嶋菜々子さんが出演された"リメイク版"です。
元の作品もすごく良いのですが、やはり俳優陣が馴染みのある方たちなのでリメイク版を推します。
やはり市村崑さんの作品とあって、カメラ割りが特徴的です。
元の作品と同様にかなりこだわって手掛けたそうです。
印象に残る場面への演出が素晴らしいなと感じます。
サスペンスなのに、怖すぎないので、苦手だという人も見ることができるのではないでしょうか。
一度観ると虜になる魅力があります。
41.世界の中心で、愛を叫ぶ
王道ラブストーリーです。
最近の邦画のラブストーリーに多い、「病気で死期が迫っている彼氏または彼女の話」の原点といっても過言ではないと思います。
高校生ならではの純愛であったり、大人になるにつれて変化していく感情を、主人公:朔を通じて感じれる作品だと感じました。
また、小説版では出てこない柴咲コウ演じる律が朔と亜紀のルーツを探っていくのも、第三者からひも解く感じでとても印象的でした。
映画の主題歌の平井堅「瞳をとじて」もその世界観を映し出して、物語を感動に包む名曲です。
40.誰も知らない
現在も活躍する柳楽優弥の子役時代の作品。
彼の人生を大きく変えてしまったくらい強烈な作品です。
静かに、淡々とつらい子どもたちの日常を映し出しています。
とにかく悲しいが、現実でもあるということに深く考えさせられる。
何もない、休みの日に1人でスマホを置いて、真剣に向き合いどっぷりと世界観にひたってほしい。
好き嫌いはあるだろうが、何か見る側の人生に影響を与えてくれるような作品です。
「子どもの話でしょう?」と敬遠してきた人にこそ見てほしい1本。
39.陰陽師
現代劇か江戸時代劇が多い邦画ですが、平安の京の都を舞台にした作品で、他に類似した作品がありません。
野村萬斎さん演じる陰陽師が素晴らしい活躍をし、平安時代の日本を感じることのできる唯一無二の作品だと思います。
人の心は美しくもあり、少しのきっかけで恐ろしい鬼にもなるという事がよくわかります。
いかにして鬼となった者たちの心を静めるのか。
そして安倍晴明と源博雅の友情も美しく、そして共演している俳優陣も豪華で大変見どころの多い作品だと思います。
野村萬斎さん演じる安倍晴明がミステリアスで面白くて、凄く頭のいいキャラクターで魅力的です。
それに陰陽師が出せる術、結界などがとにかく格好良くて真似してみたくなるものばかりですね。
陰陽師同士の対決は本当に迫力があり、頭脳戦も凄くて、目が離せないぐらいに夢中になってしまうでしょう。
思わず手に汗握るほどに、釘づけになってしまいます。
非常に素晴らしい映画なので、絶対にオススメの映画です。
38.その男、凶暴につき
理屈では説明できない怒りをぶちまけたい、今の現実の世の中の価値観では絶対に受け入れられない暴力の世界に2時間弱だけ浸りたい方におすすめ。
北野武初監督作品として、そのバイオレンス性・暗闇観がエンターテイメント映画の明るさをぶんなぐるようなインパクトで、公開当時も非常に話題になった映画です。
現在の北野作品にも脈々と、ドロドロとその根底に流れるもの、その原点を見ることができかと思います。
北野武演じる我妻は、暴力による捜査を全くいとわない異端児、煙たがられる刑事。
暴力、狂気、絶望、無力感、血、肉。
そして、ふとのぞかせるやさしさが、より凶暴さを浮き立たせて哀しい。
沈黙、死の静寂、少ないセリフ。
冒頭の我妻刑事が登場するシーンが一番印象に残っています。
37.ツナグ
「死んだ人に会える」というテーマがもう泣けます。
大人になればなるほど、亡くなった人が増えていき、伝えられなかった思いや後悔があることと思います。
身近な人を失った人はなおさらですが、そうでない私のような人でも、親子、恋人、友達など、いろんなテーマがあるので感情移入できます。
樹木希林のほっこりする自然な語り口もいいアクセントになっています。
きっと涙が止まらなくて、後悔しないように身近な人を大切にしようと思わせてくれます。
36.めがね
演技派女優の"もたいまさこ"や"小林聡美"が出演しています。
与論島で撮影が行われ、風の音や波の音、そこでの暮らしに付随する様々な音がきれいに映画に盛り込まれていて、台詞がないシーンでもそれらの音に癒されます。
全体の雰囲気としては、ところどころ「どういう意味だろう?この描写は何だろう?」などがありますが、そういった意味が分からないシーンもすごく良い間となっています。
忙しい毎日に疲れている人、少し一息つきたい人などに、お気に入りの飲み物やお菓子などと一緒に方の肩の力を抜いて見てもらいたいです。
35.百万円と苦虫女
この映画をオススメするポイントは2つあります。
まず1つ目は、ストーリー展開が面白いところです。
主人公ははじめ、友人及びその彼氏とルームシェア生活をスタートさせるものの、トラブルが起きそのせいで刑務所に入ります。
物語の起の部分のインパクトはなかなかのものです。
刑務所から出て来ると今度は家族の問題が発生します。
前科があるせいで家族とも上手くいかず、思わず『百万円貯まったら家を出る』と啖呵を切ります。
この百万円が味噌で、ルームシェア中にトラブルを起こした相手がつけてきた言いがかりが、『百万円が入った荷物を無断で捨てられた』だったのです。
家を出て以降も、『百万円貯まったら次の場所に引っ越す』をルールに海の家、桃農家、ホームセンターと職場や住む場所を変えて、少しずつ成長していきます。
そんな簡単に貯まる金額ではないけど、もしかしたら頑張れば何とかなるんじゃないかと思わせる百万円という数字と説得力ある蒼井優の演技に引き込まれます。
これだけでもかなり面白いストーリーだと思うのですが、主人公の物語の要所要所で弟のエピソードが織り込まれています。
イジメに遭いながらももがき続ける弟の描写と転々と流浪の旅を続ける姉のコントラストが実に秀逸で、胸に迫るものがあります。
2つ目は俳優陣の光る演技です。
前述の通り、蒼井優さんは全編にわたり確かに存在しそうな女性としてリアルな存在感を発揮していました。
さらにホームセンターで働く際に出会い、主人公が恋に落ちる相手として登場する中島君役の森山未來さんが良かったと思います。
恋愛をしている若い男女の繊細な心の機微を上手く表現しており、好きだからこそやってしまった過ちをとても上手く体現してました。
働くことの意味、それによる生き方、恋心など様々な側面から楽しめる映画になっていると思います。
是非あなたに見てほしいおすすめの一本です。
34.リトル・フォレスト
日本の四季を感じて生活する、ありのままの生き方を描いた映画です。
日本人とは、人間とは、どう生きるべきか、考えさせられる本来の暮らしを見て感じられるとても魅力的な映画となっています。
料理、日々の生活の知恵、生き方、物の捉え方など、表現されている部分は暮らしに関する素朴な部分で、海外の方が観ても面白く、日本人が観ても改めて考えさせられるでしょう。
大きなストーリーなどはあまりなく、日常そのままを写しているところが魅力的です。
そういった映画は数少ないと思います。
『夏』『秋』『冬』『春』の4部作。どれも全てみることをおすすめします。
主人公の女の子が1人で農作業をしながら食事を作り、食べる映画です。
四季がテーマとなっていてそれぞれ1時間程度の短い作品となっています。
正直何が起こるわけでもありません。
少しだけ母との確執や友人とのいざこざが起きますがほとんどがゆったりとした田舎の中で、主人公の独白が流れ、淡々と料理をいただくだけです。
でもそれがすごくいいのです。
ハラハラすることも号泣することもなく、ふとした時に何度も観たくなる作品です。
非常に癒やされるのでおすすめです。
33.カメラを止めるな!
すべてにおいて、良い意味で裏切られる映画です。
最初は一見ありきたりなゾンビ映画かなと思わせられるのですが、見続けていく中で、「あれ??」と疑問に思う箇所が何点か出てきます。
その疑問が、映画の後半で明らかになっていく過程が見ていて飽きないですし、かなり面白いです!
こんな苦労やアクシデントが起こったからこうなったのか、と前半の疑問が解き明かされていきます。
小さな子供から大人まで、最初から最後まで飽きずに楽しめる映画だと思うので、かなりオススメです。
映画が始まっての第一印象は、「なんだこの不自然な棒読みの演技は...やはりB級映画なのか...」でしたが、それもストーリーの一部であり、伏線でした。
そして、まるで三谷幸喜作品の舞台を見ているような、物語終盤に向けての伏線回収ラッシュでグイグイと物語に引き込まれ、だんだんと自分が笑顔になっていることに気づきます。
B級作品が故の無名の俳優陣と、素朴で無駄のない演出が、逆にストーリとマッチしてプラスに働いたことで、大きな魅力となりました。
有名俳優・アイドルの押し売りや、金に物を言わせた過剰な演出など、本質とは違う部分での宣伝合戦が横行する邦画界に嫌気を感じている人も多いはず。
そんな中新たな風を吹き込んでくれた映画が「カメラを止めるな!」だと思います。
前半はとにかく我慢が必要ですが、そこを乗り越えれば前半の謎が全て解けるので、スッキリする事間違いなしです。
面白い要素がたくさん含まれており、笑っていたら映画が終わってしまった!といった感覚です。
製作費用も安く、出演者も無名の役者ばかりですが、ストーリーが面白いので、全く気にならずに楽しめます。
32.散り椿
2018年公開の映画・散り椿。
1番おすすめしたい点は、瓜生新兵衛役・岡田准一の殺陣です。
動きの速さ。全く無駄がありません。
日本映画でこんなに早く動ける人は見たことない。
目に追えないほど速いが、動きの綺麗さにもうっとりします。
榊原采女役・西島秀俊との男の友情も注目ポイントです。
多くは語らないのに、互いに信頼しあっている事が確か。
これぞ男の美学。
椿の前で剣を合わせる二人や、雪の中で稽古に励む姿など、日本の原風景も沢山つまっており、「日本人で良かった」と思える作品です。
31.十三人の刺客
この映画は昇順の異母弟に当たる藩主、松平佐兵衛斉韶(稲垣吾郎)の悪行の限りを尽くす暴君を暗殺する話です。
見所は、何といっても、最後のシーンです。
その暴君一行を暗殺するために、最後の十三人の刺客が暴君を暗殺するために、宿場町で迎え撃つために、その宿場町を買い上げ、その場を戦場に作り上げるのです。
セットの仕掛けも見事ながら、暗殺の乱闘シーンの迫力も満点。
映画の途中で、暴君に両手両足を切られた女の人が出てきますが、思わず、驚いてしまいました。
主要キャストメンバーは名優の方ばかりで、演技の凄さもすごく良いです。
30.ラヂオの時間
2018年に話題になり、低予算映画ながら大ヒットを記録した『カメラを止めるな!」』。
私はこの作品を観たとき、真っ先に三谷幸喜監督の『ラヂオの時間』を思い出しました。
『ラヂオの時間』は、生放送のラジオドラマの舞台裏で次々と問題が発生していく模様を、ユーモアたっぷりに描いた映画です。
私たちが普段見聞きする映画やラジオの裏で、その作り手たちがどんな風に悪戦苦闘しているのか、どんな思いでいるのか、作品を作る人たちの、作品愛を強く感じる映画です。
たくさん笑いたいとき、物事が思い通りにいかなくて苦しいとき、励みになる映画だと思います。
29.DESTINY 鎌倉ものがたり
年の差がある夫婦のお話ですが、夫も妻もそれぞれお互いを大切に思い、守り抜こうとする姿に胸を打たれます。
前半の新婚生活の場面は思わず笑みがこぼれてしまうくらい夫婦ともに愛くるしく、いつまでも平和な時間が続くのではないかという気にさせられました。
しかし、中盤では打って変わって2人の仲が切り裂かれそうになってしまいます。
夫の寿命を守るために黄泉の国に行くことを決意した妻の手紙のシーンは、何度見ても涙が出てしまいます。
寒空の下、薄手のパジャマ姿で妻を追いかける夫の姿も感動です。
現実の鎌倉の景色とCGが上手くマッチしていて、美しい世界観と夫婦2人が織りなす愛のかたちは、涙なしには見ることができません。
新婚さんや年の差夫婦の方に、ぜひ見ていただきたいと思います。
28.あん
樹木希林さんが出演した作品。
これは、本当に心にぐさりと来る作品だと感じました。
ハンセン病をテーマにした作品でもあるのですが、はじめはそういったことが分からずに観ていました。
次第に分かるのですが、最初はよくわからないおばあさんがあんこづくりを教えてくれるという印象でした。
その雰囲気が優しくて柔らかくて、いつまでもこういう時を過ごしていればいいのにと思いました。
途中で、ハンセン病であること、施設を抜け出してやってきたことなどが分かります。
そこで周りの人がどのような態度を取って行くのか、が注目する点だと思います。
すごく、考えさせられる作品です。
27.八日目の蝉
誘拐犯と誘拐された少女の逃亡劇とその後の2人を描いた作品。
永作博美は、不倫していた男の子を誘拐し、母になろうとする女の悲哀を見事演じています。
数奇な運命を背負いながらも、自分もまた罪を犯してしまう井上真央の演技もさすがです。
単なる美談として書かれているわけでもなく、身勝手な女の話なので賛否両論もあるでしょうが、泣けることは確実な作品。
「家族っていったい何なんだろうか」と考えさせられる作品だと思うので、ぜひ多くの人に見ていただきたいです。
26.スウィングガールズ
この映画は、何もとりえのないような女子高生たちがひょんなことから、音楽に携わることになり彼女たちが成長していく過程を描いたものです。
テーマは「ビッグジャズバンド」。
田舎の女子高校生がジャズに夢中になっていく過程がものすごく輝いて見えます。
田舎だからこその田んぼのあぜ道や、線路を伝って歩いていく姿はこの映画ならではじゃないでしょうか。
この映画の主人公は1人にあらず、様々なダメ女子高生たちのエピソードも描かれています。
どうして音楽に携わることになったのか、果たして彼女たちは成長して何を得たのか…。
涙あり、笑いありの様々な人間模様が描かれています。
まさに“青春”ともいえるのでは無いでしょうか。
そして、この映画を手掛けたのは矢口史靖監督です。
他にも有名な「ウォーターボーイズ」などを手掛けている方の作品なんですよ!
青春ありギャグあり、ちょっとしたラブストーリーありとぎゅぎゅっと濃縮された魅力のあるスウィングガールズとってもおすすめです!
25.北のカナリアたち
登場する俳優陣がとても豪華な作品です。
吉永小百合さんや、里見浩太朗さん、満島ひかりさん、森山未來さんなど大御所から若手実力派俳優さん達が出演されています。
北海道を舞台にしているため、雄大な自然がすばらしく、時に厳しい自然の姿も表現されています。
過去の問題が20年と言う時を経て再び向き合わなければならなくなるのですが、そこに隠されていた本当のことが少しずつ明らかになっていきます。
全てが明らかになった時に感じる物は、映画を見始める前の感覚とは全く違うものだと言えます。
物語自体がかなり深くて、考えさせられるものになっています。
24.Shall we ダンス?
一見穏やかで幸せな生活を送るサラリーマン、中年と呼ばれる人が心の中で感じる何か、欠けている何かがとても上手く描かれている作品だと思います。
公開された当時も、楽しく観ていましたが、20年以上経った今、自分自身が主人公の年齢に近くなったためか、彼の気持ちに共感できる部分が多く、昔とは違った魅力を感じつつ観ています。
出演されている方々も個性豊かで展開も早いので、若い世代の方々は単純にコメディーとしても飽きずに鑑賞でき、40代前後の、特に男性は感情移入しながら楽しめると思います。
お決まりの家族に不倫疑惑で怪しまれるシーンも面白い。
最初から最後まで世間のおじさん達の気持ちや欲求を代弁するかのような作品で観終わった後、満足感が味わえる作品だと思います。
若者がスポーツや歌やダンスに出会い、練習を重ねて上達し、大会やコンテストに出て優勝を目指すストーリーはいくらでもあります。
この映画がそういうストーリーと一線を画すのは、サラリーマンである主人公をはじめ、登場人物がみな社会人であり、家族や仕事を背負いながら社交ダンスをやっているということ。
家族からも興味をなくされてしまった中年サラリーマンの気持ちを踏まえた役所さんの演技に共感できる男性も多いのでは?
平凡な生活から抜け出そうとちょっと不純な動機ではあるが、ダンス教室に顔を出し社交ダンスにのめり込んでゆく姿が可愛らしく見えるでしょう。
リアルな日常生活のシーンがあるからこそ、主人公らが日常から離れてひとときの夢を味わうダンスシーンがいっそう輝きます。
ハリウッドのリメイク版と合わせて見るのも一興です。
23.のぼうの城
話は、豊臣秀吉が小田原の北条攻めの際、最後まで攻め落とせなかった忍城での戦いの話です。
見所は野村萬斎の演技力です。
野村萬斎演じる成田長親は、日頃は、のほほんとしたのんき者で「のぼう」と呼ばれています。
その滑稽さが非常に面白いです。
その成田が秀吉軍の大軍を相手に戦うと言い出します。
決戦になった理由は、忍城の甲斐姫を秀吉に差し出すことが城の開城条件だったためです。
甲斐姫は榮倉奈々が演じていましたが、少々男勝りなところも良かったです。
野村萬斎の「のぼう」ぶりに、周りはひやひやさせられやきもきさせられ、それらを演じている俳優陣の演技力の面白さには、最初から最後までどうなることかとひやひやします。
決戦にワクワクし、萬斎の「のぼう」ぶりに笑わせられる映画です。
絶対無謀だと思われる戦に対して野村萬斎演じる主人公の成親が講じた奇策が凄く面白い。
こんな策初めて見るというような驚くものばかりで、どれも素晴らしかったです。
のぼう様を完璧に演じれる野村萬斎さんが凄く素敵ですし、最初から最後まで目が離せない迫力もあって面白い映画なのでぜひオススメしたい邦画です。
22.今度は愛妻家
夫婦が主題で、通り一遍の恋愛映画には無い純粋な愛情が描かれています。
主人公の豊川悦治さんが妻を顧みずに好き勝手をし、ついには離婚の話までされますが、それから純粋な愛に気づき始める描写は、世の既婚者の方々に一度は観てほしい映画と感じました。
序盤の傍若無人な振る舞いから少しづつほぐれていく演技は、この映画で豊川悦治さんの見方を大きく変えます。
また、妻役の薬師丸ひろ子さんの、ピュアで危なげな女性の演技は、演技と思えぬほど自然で男性でも感情移入してしまうでしょう。
ストーリー全般を通しても緻密に張られた伏線を丁寧に回収し、最後にまとめあげる構成は素晴らしく、さすがに原作が戯曲だけあると感じます。
今、観ても間違いない恋愛映画としておすすめできます。
21.君の膵臓をたべたい
タイトルがトリッキーで、「いったいどんな映画なんだ」…と思って観始めました。
主人公たちは美男美女で画面が美しいです。
始めは淡々と進みます。
彼女が病気持ちで、わがまま言って彼を振り回す、なんだかどこか観たことあるような内容だな、と思う面もありましたが、ヒロインの底抜けに明るい笑顔はとても素敵で、映画を観ている間にファンになってしまうほどです。
相手役の男の子も暗い性格なのに、格好良くて、とてもお似合いです。
ただ、先ほども書いた、なんだか観たことある感は、拭えないままラストに向かっていきます。
しかし、ラストは思っても見ない方向へ。
ガーンと頭を殴られたような衝撃を受け、「確かに、世の中、考えている通りに進むわけじゃないんだよな」、と自分の人生を考えさせられるような思いになりました。泣けます。
20.鍵泥棒のメソッド
どんでん返しのストーリーが面白いので、コミカルなミステリーが好きな方に、絶対におすすめです。
売れない役者と殺し屋がひょんなことがきっかけで人生が入れ替わってしまうというストーリーなのですが、観ている人が全て引き込まれるような脚本になっていると思います。
話の展開から最後の最後まで、すべてが面白く、ハラハラドキドキする場面や、声を出して笑える場面など見どころが盛り沢山なので、絶対におすすめできる映画といえます。
堺雅人さん演じる売れない役者の桜井、広末涼子さん演じる婚活女性の水嶋、そして凄腕の殺し屋コンドウこと山崎を、香川照之さんが演じています。
それぞれキャラクターがものすごく濃くて、3名の掛け合いに笑ってしまいます。
それぞれが輝いた演技をされているのにも是非注目していただきたい。
あるきっかけで、殺し屋コンドウを現実に演じなくてはならなくなった桜井。
彼の命がけの演技が見所です。
物語の節々に巧妙にはられた伏線の回収は見事で、最後まで飽きさせません。
19.万引き家族
日本アカデミー賞で8冠を受賞して話題になった作品です。
本当の家族ではない子供が一家の中で成長する過程を描いています。
家族模様が三世代に渡って見られるのも久しぶりの感覚です。
樹木希林さんが演じる痴呆気味の老婆がものすごく良い味を出しています。
リリーフランキーは父としてやるべき事、やらなければいけない事を理解はしているものの、あまり仕事熱心でもなく稼いでくるわけでもない。
しかし、実の子供ではない息子に盗み、万引きを教えて父性というものを徐々に得ているのが目に見えてわかる。
最後の捕まってしまうシーンも、本当の家族の大切さを顧みるいい作品です。
18.怒り
妻夫木、深津が出演し、話題になった名作「悪人」を書いたベストセラー作家吉田修一原作の新作映画、『怒り」。
「悪人」も鑑賞後にずっしりと来る作品だったが、「怒り」はその数倍ずっしり来ます。
誰にでもあるであろう負の感情を、人間模様と共に絶妙に描かれており、色々と考えさせられることも多い映画でした。
人を信じることの難しさや、簡単に人を信じてしまうことの愚かさについて学ぶことができたと思います。
キャスト陣もかなり豪華で、見所も多かったです。
毎日を何気なく過ごせることが、実は幸せなことなのではないかとも思えました。
人を信じ抜くこと、誰かを大切にすることは、思っている以上に難しいことなのだと感じます。
人間の愛情と憎しみをひしひしと感じられる映画。
ラストシーンは涙なしでは観られません。
引き込まれるストーリー、豪華役者陣の息を飲む演技力、そして衝撃のラスト。
最後は報われない怒りと、救われる愛が描かれ、エンドロールではなんとも言葉に出来ない感情を抱く。
その中でエンドロールに流れる坂本龍一作曲のチェロのおとが心に響く体験は人生で一度経験してもいいと思います。
列車の窓から外を眺めているときに度々思い出す作品。
個人的には宮崎あおいの演技が神がかっていたので、これだけでも一見の価値ありです。
17.海街diary
第39回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した映画。
おすすめする一番の理由は、なんといっても出演者のみなさんが美しいということ。
鎌倉の美しい自然とともに、美しい4姉妹に終始見惚れられる映画です。
ささやかな日常はこんなにも美しいものだったのかと、思い知らされます。
4姉妹どの女優さんも美しいですが、この映画では広瀬すずちゃんの可愛らしさが存分に映し出されています。
仕事に疲れたり、イライラすることがあった時に、このため息が出るほど美しい映画を見れば、心を落ち着かせ、穏やかで優しい気持ちになれるのではないかと思います。
また、作品内で描かれる日本文化がとても美しいです。
桜の木の下を自転車で駆け抜けるシーンや、梅の木に登り、梅を収穫するシーンなど日本の四季がとても美しく描かれているところに魅力を感じました。
腹違いの妹と一緒に暮らすという少し緊張感を感じてしまう話の展開にも関わらず、日々の何気ない日常を丁寧に描いているところに癒されます。
また腹違いの妹すずと、姉3人が徐々に本当の家族として距離が縮まっていくその穏やかな雰囲気も、この作品の魅力だと感じています。
16.かもめ食堂
「かもめ食堂」は荻上直子監督、群ようこ原作の映画です。
邦画ですが、作品の舞台はフィンランド。
主人公のサチエ(小林聡美)が首都ヘルシンキにて営んでいる日本料理店「かもめ食堂」を中心に、そこを訪れる人々の交流が描かれます。
何かに行き詰って立ち止まってしまった人、何かをなくしてしまった人など、色々な事情を抱えた人達に、どこかしら自分を重ねてしまいます。
そして、誰もが一度は感じたことのある、割り切れない思いや、自分の力だけではどうすることもできない何かが、かもめ食堂で皆で食事をすることで、少しずつほどけていきます。
その過程を観て、ゆっくりと自分の中の強張ったものがほぐれていくような気がして、定期的に観ています。
自分の信念を貫いて、淡々と暮らす。
世の中の物差しと自分を比べない。
ちゃんと暮らしていれば、地味だけど地に足のついた暮らしが見えてくる。
何が必要で何が不必要に世の中を取り巻いているか、そう考えさせられる映画と思います。
ストレスを抱えてる人にはおすすめ。
疲れてしまったときに、ぜひ観てほしい邦画です。
出演者が、小林聡美、片桐はいり、もたいまさこと演技力のある女優さんがそろっています。
特に大きな事件が起こるわけではないのですが、海外で働く女性たちの日常が丁寧に描かれていて、ほっこりします。
出てくる料理もとてもおいしそうで、実際に食べてみたくなります。
見終わった後は、静かな元気が湧いてくるような映画です。
15.容疑者xの献身
物語は、顔が潰されて指が焼かれた焼死体が発見されたところから開始します。
そしてその被害者はガリレオこと、湯川学の大学時代の友人である石神の隣人の元夫ということが分かるのです。
そこから湯川は石神に話を聞きながら、隣人のことを疑うようになっていきます。
石神の隣人は妻の花岡靖子と娘の美里の二人暮らし。
貧乏ながらも慎ましく暮らしていて、石神は靖子のことを好ましく思っていました。
そんな靖子に工藤邦明という男が近寄っていきます。
最初は石神は嫉妬するかと思いましたが、石神は靖子に幸せになってもらいたい一心で、様々な献身をしていきます。
石神は靖子に告白したいわけではなくて、ただ自分が誰かを好きになれたという感情を宝物みたいに思っていたように見えました。
まるで数学に溺れた自分に人間という感情を取り戻してくれたお礼みたいに思えたのです。
結局靖子と美里は自ら出頭してしまいます。
でも出頭する人間だからこそ、石神は好意を抱いた。
その純粋なまでの思いがたくさん詰まったこの作品をおすすめします。
14.海賊と呼ばれた男
岡田准一主演。
出光の創業者をモデルにした百田尚樹氏が書いた小説が原作の映画です。
エネルギーの歴史とでもいうのでしょうか。
主人公の国岡鐡造の青年期から老年期までを岡田准一が一人でこなしています。
岡田さんのメイクも非常に良くできていて、年齢に応じた動きの演技も非常に良かったです。
内容が石油事業で、国内の石油会社と孤立し、四面楚歌状態でも、ポジティブにやり抜く姿を岡田准一が演じていたことが非常にカッコよく、ほれぼれします。
国岡商店で働いている人たちもカッコよく、映画を見ていて、海賊と呼ばれても納得できると思いました。
今や当然になっている燃料も昔の人から見たら常識とは程遠い話を、自分の人生をかけて信じ、証明していく一人の姿は心に響きました。
現代の生活とはかけ離れた感覚だと思います。
程よい幸せと、綺麗な世界を望むのではなく、日本がどう成長していくのかを重んじている男はたくましく、何より人間としていきいきとしています。
小さな変化をとらえる心は必要かもしれませんが、豪快に生きてみたいと思える作品です。
13.黄泉がえり
この映画は、亡くなってしまった最愛の人が戻ってくるという話です。
亡くなった人にもう1度会いたい。
そのような思いを抱いている人は多いのではないでしょうか。
そういう私ももう1度会えることが出来たなら、謝りたい、そしてありがとうと伝えたいと思う人がいます。
生きている時は、当たり前に感じていたことが、後から後から湧き上がってきて、ああしておけばよかった、ああしてあげればよかったと後悔仕切りです。
そのような意味でもこの黄泉がえりという映画には、引き込まれました。
死者が生き返るという、限られた時間の中での再会はまさに奇跡です。
ラストは、涙が溢れて止まりませんでした。
涙なしでは見れませんが、最後は前向きな感情にさせてくれる映画となっています。
12.テルマエ・ロマエ
テルマエ・ロマエとは、ヤマザキマリ氏による漫画が原作の作品です。
舞台は古代ローマ帝国と現代日本をタイムスリップするという一風変わった設定で興味を惹かれました。
主人公のルシウスはローマ帝国で浴場設計師をしていましたが、ひょんなことがきっかけで現代日本にタイムスリップしてしまいます。
そこで漫画家志望の真実という女性と出会いルシウスは日本の風呂の技術の高さに衝撃を受けます。
そして真実と日本の風呂について研究するのですが、彼は日本人のことを平たい顔族と呼ぶところなど、ギャグがたくさんあるのでクスッと笑えます。
そしてタイムスリップする場所が銭湯や家のお風呂などのお湯の中で、顔の濃いルシウス役の阿部寛さんが登場して、皆が鳩が豆鉄砲を食らったような顔をするシーンは毎回面白いです。
こんなに笑えるのに最後はどういう終わり方になるのか、先の展開がとても気になること間違いないです。
お風呂を題材にしたユニークな作品で、絶対にお勧めできる映画です。
11.菊次郎の夏
まず、音楽と映像が素晴らしいです。
久石譲さんの名曲「Summer」、北野監督の描く天使の絵や空から降ってくる天使の置物、東京の下町の日常の風景、豊橋の海岸沿いの田園風景…。
それらすべてが、この映画をありきたりのロードムービーではない感動的な物語に仕立て上げていると思いました。
遠くに働きに出ているという母親にどうしても会いたくなり、わずかな小銭を握りしめ期待に胸を膨らませて家を飛び出した正男がやっと辿り着いた先で、新しい夫と子供と幸せそうに暮らしている母親の姿を見てしまうシーン。
何度見ても泣いてしまいます。
おそらく世の中でこんなに悲しいことはないんじゃないかと思うくらい…。
そして、「こいつも俺と同じか…」とつぶやく菊次郎もまた母親に捨てられたんだなとわかり、淡々と描かれているのにまるで自分が母親に捨てられたかのように胸が痛くなります。
物語の後半では、菊次郎と正男が旅の途中で出会った今村ねずみやグレート義太夫や井らっきょと河原でキャンプをしながら色んな楽しい遊びをして過ごすのですが、キャンプの最後の夜に夜空に浮かぶコスプレ(?)姿の軍団が現れた時、不覚にもまた泣いてしまいました。
軍団の中でも何故か一番嬉しそうな菊次郎。
これはきっと正男が見ている夢で、菊次郎が喜んでいる(救われた)ことを夢の形で正男に伝えているのだろうと思いました(最初は菊次郎が見ている夢じゃないかと思っていました…。もしかするとそうなのかも…)。
「菊次郎の夏」は、子供にとっての「愛」そのものである母親に捨てられてしまった正男と菊次郎を優しく包み込む童話だと思いました。
この夏の経験は、正男にとっても菊次郎にとっても一生の宝物になるに違いありません。
こんな映画を作れる北野監督を改めてすごいと思いました。
傷つき、小さくなっている二人の少年(あえて二人とも少年)の心をどうしても救ってあげたかったのでしょう。
そんな北野武の優しさと愛情に溢れた素敵な映画でした。
10.50回目のファーストキス
ハワイを舞台にしたラブコメで、アメリカで大ヒットし、後に長澤まさみさんがヒロインで日本版も上映された作品です。
短期記憶喪失障害をもつヒロイン(ルーシー)に一目ぼれした、男性が何度も彼女に愛の告白をする映画です。
告白して付き合っても、ルーシーは寝てしまうと記憶がなくなってしまうので、毎日「あなた誰?」という状態になってしまうのですが、それでも何度も何度もルーシーに思いを伝えるラブコメ。
どうやったら記憶が続いてくれるのか、自分を好きでいてくれるのかを毎日悩むシーンにぐっときました。
最後の15分、一度は別れた二人が再会し、子供を持つまでのシーンがとても印象的で忘れられません。
一途な恋愛映画で、ハワイの景色もきれいで、恋がしたくなる映画です。
9.くちびるに歌を
映画「くちびるに歌を」は卒業シーズンに見たい映画としておすすめです。
五島列島を舞台にした中学生たちの物語で、新垣結衣が先生役をやっていてとても美人でかわいい。
都会からやってきた新垣結衣が、五島の学生たちと触れるうちにどんどん心を開いていく過程がよく描かれています。
五島列島の海や山といった大自然も綺麗に描写されていて、見ていて心が洗われるはずです。
ラストは合唱コンクールに出場して、生徒たちは卒業してしまうのですが、最後、新垣結衣が島から離れる別れのシーンは感動の涙があふれます。
この映画は劇場で観たのですが、大泣きしてる観客が沢山いたのを今でもよく覚えています。
8.七つの会議
今作は主演の野村萬斎さんと、その他豪華共演者で織りなす中堅電機メーカー企業で起こった不祥事に巻き込まれる社員を描いた郡像劇映画です。
主人公の八角は中堅サラリーマンでいつも会議にて寝ていることから「居眠り八角」と呼ばれています。
実はその八角さんには秘密があり、そこから上司を始め様々な社員が不祥事に巻き込まれていくという物語。
この映画は「働くことはどういうことなのか」のを教えてくれる作品になっており、登場人物全員ガッツがあるので観ていて元気と根気が貰える映画です。
日本の古い慣習を皮肉交じりで描いた良作だと思います。
真実が暴かれていくテンポの良さが、作品の良さに繋がっており、最後までハラハラドキドキさせられ一気に観ることができました。
仕事が辛いと感じている方は、特に観た方が良いと思います。
根本的な考え方を変えてくれる作品になるでしょう。
7.こんな夜更けにバナナかよ
私の中で「障害者とは」の概念を破壊した作品。
筋ジストロフィーという、筋力が衰えてゆく難病をもった男性と、彼をサポートした大勢のボランティアによるノンフィクションストーリー。
筋ジストロフィーで体の不自由な主人公が頑張って生きてる毎日に感動しました。
実話を元にした映画で、主役の鹿野さん役を大泉洋さんが好演してました。
すごいはまり役だと思います。
最初は、障がい者である主人公のワガママさや自由過ぎるところに嫌な気持ちになってしまいました。
しかし、ストーリーが進むにつれて、何故彼が周りの方々から愛されていたのかが分かります。
毎日ボランティアの人達に世話されないと生きていけませんが、卑屈になることなく元気にそしてはた目から見たらわがままいっぱいだと思うような生き方を貫く。
そんな彼にもボランティア集めなどの苦労や悩みなどもあるだろうと思います。
短い生涯ですが、一生懸命に短い人生を送った主人公に泣かされます。
首から下を動かせないことで、若いころから24時間介助が必要だった鹿野さんが「生きるため」に自ら、ボランティアを集めスケジュールを調整して「自宅で過ごした」ことに驚きました。
みんなが日頃当たり前のようにしていることすべて、鹿野さんにとっては命がけ。
「生きる」ということをあらためて考えさせられます。
自由奔放な鹿野さんの言動に振り回されるボランティアの方々にも好感が持てたし、それぞれの苦悩に人間臭さを感じて、ドライになりがちな昨今の人間関係と違う「血の通った交流」に心が熱くなりました。
病気になるということは、それだけで不幸なことなのではなく、そこからどう生きるのかが大切だということを教わったような気がします。
「一生懸命生きよう」と思わせてくれる作品です。
6.8年越しの花嫁 -奇跡の実話-
この映画は実話を元にした作品です。
結婚の約束をしていた2人。
突然意識不明の重体に陥ってしまった新婦。
その新婦が目を覚ますまで、傍にい続け、彼女を愛し続けた新郎の深い愛に涙をしてしまいます。
新婦が意識を無くして自分のことを思い出すまで8年。
新郎の諦めなかった気持ち、何があっても新婦を信じ、愛し続けた新郎の愛。
ラストのシーンは涙無しでは見られないと思います。
私も大号泣で映画を見終えました。
5.手紙
この映画は犯罪者の家族に視点を当てた映画です。
何度見ても毎回感動して泣けます。
殺人を犯してしまった兄と、弟の物語。
根底にあったのは弟に対する愛だったはずなのに、誤って人を殺してしまい、自分の人生も弟の人生もダメにしてしまった兄。
弟は進学の目標を諦めた上に、順調にいきそうだったお笑いの道さえも途絶えかけます。
悔やんでも悔やみきれない兄と、兄を憎んでも憎みきれない弟の、消えない絆と消えないお互いを思う愛情。
犯罪者となってしまった身内がいると、その後どうなっていくのか…その様子を壮絶に描いていた映画でした。
視点が違えば、感じ方も変わってきます。
どの視点で見ていたとしても、心に重くのしかかってくるものがありました。
どんな事情があったとしても、人の命を奪うことは許されません。
その十字架を背負う家族の物語として見ると、本当に辛かったです。
兄のしたことは決して許されることではないけれども、心がカサカサになった時、大失敗をしてしまった時に見たくなりる映画です。
弟想いの兄と弟との気持ちのすれ違いからうまれる葛藤から、最後まで獄中の兄とは直接の会話することなかったのですが、感謝の気持ちを伝えることが出来た時の感動は心が震えました。
4.南極料理人
個性豊かな8人のおじさんたちが、"南極観測隊員"として南極大陸の昭和基地で日々を過ごすという映画です。
男ばっかりの数人で、南極の果ての動物はおろかウイルスさえも生息できないという極寒の地で繰り広げられる人間ストーリー。
南極観測隊の調理師担当として派遣される海上保安庁職員を中心とした、観測隊員たちの群像を描いでいます。
食料も飲料も娯楽も何もかもが限られた生活の中で、互いにぶつかり合いながらも家族のような関係を築き上げていく過程が描かれており、とても心が温かくなる映画です。
おいしいご飯を食べることの大切さ素晴らしさを感じさせられます。
過酷な環境の中で生きる観測隊員たちの生活をコミカルに淡々と描いています。
単調になりがちな南極での生活の中に、少しでも潤いのあるように、食事に気を配る主人公を堺雅人が演じます。
初めはぎこちなかった隊員たちの人間関係が食事によって徐々に変わっていきます。
人々の和を保ち、高めるのは「食」ということがとてもよくわかる作品です。
終始ゆるーい雰囲気で進む映画で、特に予定のない休日の午後にまったりと観るのがおすすめです。
とてもほっこりした気持ちになります。
ふとした時にまた見たくなるような、気負わずに見れるところが良いです。
極寒の地、皆それぞれ自分のやるべき仕事があり帰りたくても帰れないという状況の中、おじさん数人がまるで少年のように無邪気に、極限の状態でいかに長い長い日々を楽しくおもしろく過ごせるかに一生懸命になっている姿がとっても可愛く微笑ましいです。
実話を元にした映画ですが、出演されているキャストがまた皆とってもいい感じにマッチしていて自然で違和感がなく、最後まで全く飽きずに観ることができました。
私としては、この映画観て、嫌いとか面白くないとか言う人いるのかな??というくらいおすすめです。
3.湯を沸かすほどの熱い愛
これは愛に溢れた映画です。
本当の愛とは、本当の生き方とは、とても深く深く心に刻まれる映画でしょう。
素朴な暮らしの中にある愛のかたち、家族や周りの人への愛のかたち、とてもまっすぐな愛を表現した内容になっています。
本当の家族ではなかったとしても、本当の家族であったとしても、人に対する愛というのは変わりません。
いかにそれが人の心を救うのか、愛の大切さを感じられる素晴らしい表現のされた作品です。
必ず一度はみてほしいと思います。
家族のこと、愛のことを考えさせてくれる素晴らしい映画だからです。
なんといっても、役者(宮沢りえ・杉咲花)の演技が役にどハマリで、母親と娘の気持ちがひしひしと伝わってきます。
シーンの演出にも、思わずドキドキするシーンや、感情移入せざるを得ない場面など、心に訴えかけてくる作品です。
銭湯を舞台としていることもあり、日本の古き懐かしき文化や在り方についても垣間見えます。
家族関係や、愛する人への思いやりについて想起させ、ほっこりさせてくれる映画です。
主人公が病にかかり亡くなるという設定の映画は多く、最初から泣かせようとしてるのかなと思ってしまいあまり好きではないのですが、こちらの映画は生きることを強く感じられるとても人間くさく熱い映画になっています。
大きな愛を感じることができ、また、無理に泣かせるようなこともなく自然と泣いてしまう作品です。
出ている演者さんも素晴らしく、宮沢りえさんをはじめ杉咲花さん、オダギリジョーさん、松坂桃李さんなどそれぞれの魅力が感じられます。
本当に良い映画です。
2.砂の器
野村芳太郎監督の神がかった名作です。
名優、加藤剛が主役を演じました。
1974年の作品と少し古いですが、日本映画史上に残る名作です。
松本清張の同名小説を原作としていて、これまで何度もテレビドラマにリメイクされて話題になりましたが、最高なのはこの最初に映画化されたこの作品でしょう。
四国の雄大な自然を余すところなく描写する画面は圧巻。
あわせて流れるオリジナル音楽『宿命』は、主人公親子の過酷で悲しい運命のバックグラウンドとして涙を誘います。
リメイクドラマを見ている方も、そうでない方も、必ず見ていただきたい作品です。
出演者、音楽、脚本など、すべてが揃った作品でかつ皆さんが自分の能力を最大限だして、バランスがとれた名作だと思います。
もうクラシックといわれる作品ですが、古さを感じさせず古さがまた味をだしています。
リメイクでテレビで何回かやっていますが、作らないで欲しいとまで思う傑作映画です。
原作も読みましたが、原作は駄作に近いと思わせるくらい映画の出来は素晴らしく良い。
何回見ても、涙が止まりません。
松本清張の長編推理小説で、テレビで何度も映像化されていますが、やはり映画が一番の傑作だと思います。
なぜ、殺人を犯す必要があったのか、なぜ、戸籍を偽造する必要があったのか、ハンセン氏病に対する偏見や差別を通じて、悲しみ・苦しみ、人生の乗り越えられない壁を考えさせられました。
そして、すべての人が分け隔てなく幸せになってほしいと思いました。
また、ピアノと管弦楽のための組曲「宿命」がテーマ曲だそうですが、作品のスケールの大きさと人間の悲しさを表現していると思います。
丹波哲郎、加藤剛、島田陽子、緒形拳、加藤嘉・・・これだけ並べても、すごい役者がそろっていることが分かります。
今どきの役者さんに、このような重厚感が出せるでしょうか?
※(フジテレビ開局60周年特別企画として、2019年に再びドラマ化されましたが、映画を超えることはできませんでした。原点であるこの映画がやはり傑作です)
1.サバイバルファミリー
ある日突然、あらゆる電気機械が使えなくなった日本。
主人公とその家族がどう生き抜いていくかが描かれた映画です。
大きな災害に直面した事がない私には、電気が全く使えない状態がこんなに恐ろしいものだとは、この映画を見るまで想像もつきませんでした。
父親は威張り倒し、子供たちはスマホに頼り切った生活で…とバラバラだった家族が徐々に一致団結していく姿と、実際の災害時にも使えそうなサバイバルテクニックが見どころだと思います。
重いテーマのようにみえますが、ウォーターボーイズやスウィングガールズの矢口史靖監督の作品なので、笑えるシーンもたくさんあります。
自然災害への備えに、一度見ておくと良い映画です。
小日向文世さんのお父さんが面白い。
適度に力が抜けている演技により、震災を思い出してしまうシーンばかりの映画を最後まで観ることが出来ました。
始めは非協力的な子供たちがサバイバルを通して、スマホの中ではなく現実の中に自分の存在価値を見つけて行動が出来るようになる姿が子育ての参考になりました。
豚の解体シーンは重要だと思いました。
現代は、お金を払えばスライスしてパック詰めされた肉や調理された肉を買うことが出来ます。
このような時代を生きていると命をいただいている事実を実感することが出来ないので、何もない状態で生きるという現実を知ることが出来ましたね。
ハラハラドキドキ観れるのに、泣けるシーンもあり、現代社会に対する問題提起もしっかりされている映画です。
現代の日本でガス、電気、水道、インターネットが突然すべて止まり、混乱する社会の中で何とか生き延びようとする家族。
「もし、同じようなことが実際に起こったら自分はどうするのだろうか」と考えながら観ることができます。
電気やインターネットに頼らない昔の人の生き方を「過去のもの」としてでなくよりリアルに身近なものとして感じることができるので非常におすすめです。
異常気象や地震が頻発する今、自給自足生活をせざるを得ない場合が来る可能性があると考えると、『サバイバルファミリー』はとても参考になる映画ですよ。
全ての現代日本人が見るべき必須の邦画だといえるでしょう。
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さいごに
いかがでしたか?
気になった作品はありましたか?
ぜひお気に入りの邦画を見つけてみてくださいね。
そして、素晴らしい時間を過ごしましょう。
時間は大切に…
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こちらを参考にどうぞ。
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